ラミネクトミー後症候群
ラミネクトミーは、椎間板が突出して坐骨神経痛を引き起こす場合に行われる手術で、椎弓板(ラミナ)という骨の一部を除去し、神経根への圧迫を軽減します。手術後に頸部や腰部の痛みが持続または再発する場合、「ラミネクトミー後症候群(Post‑laminectomy syndrome, PLS)」と診断されます。
手術成功率
米国のCapitol Spine and Pain Centersによると、年間約50万件の脊椎手術が行われ、そのうち約20%が術後も背部や脚部に疼痛を残します。一方、SpineHealth.comのデータでは、ラミネクトミーを受けた患者の70〜80%が日常生活の活動が大幅に改善し、疼痛も顕著に減少すると報告されています。特に坐骨神経痛に対しては高い効果が期待できます。
症状
ラミネクトミー後症候群の主な症状は、頸部手術後の首や腕の痛み、または腰部手術後の背中や脚の痛みです。痛みは鈍く続くこともあれば、鋭い刺すような痛みとして現れることもあります。しびれ、チクチク感、筋力低下が伴うこともあり、非刺激(綿棒など)でさえ痛みを感じる過敏症や、痛刺激に対して過剰に痛む過敏性疼痛が見られることがあります。
原因
手術で神経根の圧迫は解除されても、神経が完全に回復しないことがあります。また、術後の瘢痕組織形成が慢性的な疼痛を引き起こすことも。さらに、椎間板ヘルニアの再発、脊椎構造の変化、変性疾患の進行などが原因として挙げられます。
リスク要因
糖尿病、自己免疫疾患、血管障害を持つ人は術後症候群のリスクが高くなります。米国脊椎医学会(American Academy of Spine Physicians)によれば、うつ病や不安障害、睡眠障害、喫煙もリスク要因とされています。
治療法
再手術は合併症リスクや回復期間の長さから通常は推奨されません。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの鎮痛薬で症状を緩和し、理学療法や腰部安定化エクササイズが有効です。また、電気刺激による脊髄刺激装置や、ラジオ波焼灼、硬膜外ブロックなどの神経ブロック療法も選択肢に入ります。
