ハリス・ヒップスコアの解釈ガイド
ハリス・ヒップスコアとは
米マサチューセッツ州の整形外科医ウィリアム・ハリスが開発したハリス・ヒップスコア(Harris Hip Score)は、人工股関節置換術後の患者の機能回復を定量的に評価する指標です。全米で標準化された評価法として、術後の回復度や治療効果の比較に用いられます。
評価項目
患者自己評価(8項目)
- 疼痛スケール(0〜44点):痛みの程度を7段階で評価し、点数が高いほど痛みが少ないことを示します。例:痛みなし=44点、軽度の痛み=20点、激しい痛み=0点。
- 歩行距離(0〜11点):ベッドや椅子に固定されている場合は0点、無制限に歩行可能な場合は11点です。
- 靴・靴下の着脱(0・2・4点):着脱できない=0点、困難だが可能=2点、容易にできる=4点。
- 公共交通機関の利用(0・1点):利用可能=1点、利用不可=0点。
- 歩行補助の必要性(0〜11点):2本の松葉杖使用または歩行不能=0点、1本の松葉杖使用=3点、補助なし=11点。
- 跛行(0〜11点):跛行なし=0点、軽度の跛行=8点、完全に正常=11点。
- 階段昇降(0〜4点):階段使用不可=0点、手すりなしで昇降可能=4点。
- 座位(0〜5点):快適に座れない=0点、普通の椅子に1時間座れる=5点。
医師評価(2項目)
- 変形の有無(0または4点):固定屈曲拘縮<30°、外転<10°、内旋<10°、脚長差<3.2 cm の条件をすべて満たすと4点、いずれかが欠けると0点。
- 可動域(0〜5点):股関節の屈曲、外転、内転、外旋、内旋を総合評価し、0点は30°未満、5点は211°〜300°の可動域を示します。
総合得点と評価基準
合計点は100点満点で、以下のように区分されます。
- 90〜100点:優秀
- 80〜89点:良好
- 70〜79点:普通
- 60〜69点:不十分
- 60点未満:失敗
60点数以上であれば術後の機能回復は許容範囲とされますが、点数が高いほど患者の全体的な適応が良好であることを示します。
