裂孔ヘルニアと逆流性食道炎の症状を軽減する食道筋強化法
裂孔ヘルニアとは
裂孔ヘルニアは、横隔膜の開口部(食道裂孔)を通して胃の一部が上方に押し出される状態です。開口部を囲む組織が弱くなると起こります。小さなヘルニアは自覚症状がほとんどありませんが、大きくなると胸やけや逆流性食道炎(GERD)を引き起こすことがあります。
食道下部括約筋(LES)の役割
逆流性食道炎では、食道下部括約筋(LES)が緩み、胃酸が食道に逆流します。LESを強化すれば、症状の軽減が期待できます。
LESを強化する具体的な方法
1. 食生活の改善
アルコール、コーヒー、砂糖、玉ねぎ、チョコレート、ペパーミント、スペアミントなどはLESを緩める可能性があります。これらの摂取を減らすか、避けるようにしましょう。
2. 薬剤の見直し
気管支拡張薬、カルシウム拮抗薬、β遮断薬、抗不安薬、NSAIDs、ニトログリセリンなどはLES周辺の筋肉を弛緩させます。これらを常用している場合は、医師に代替薬について相談してください。
3. プロキネティクス薬の使用
ベタネコール(ウレコリン)やメトクロプラミド(レグラン)といった処方薬はLESのトーンを上げ、逆流を抑える効果があります。医師の指示のもと使用してください。
4. ニッセン噴門形成術(Nissen fundoplication)
手術で胃の上部をLESの周りに巻きつけ、括約筋を強化します。開腹手術と腹腔鏡手術の2種類があり、後者は数ミリの小さな切開で行われ、回復が早いです。開腹手術は術後4〜7日、腹腔鏡手術は1〜2日で退院できます。
5. 内視鏡的手術
内視鏡を用いた手術では、LESに縫合して筋肉を折りたたむ方法や、電極で微小な焼灼を行い、瘢痕組織で筋肉を強化する方法があります。
まとめ
食生活の見直し、薬剤の調整、必要に応じた薬物療法や手術など、LESを強化する手段は複数あります。症状や状態に合わせて、医師と相談しながら最適な方法を選びましょう。
