棘上筋(Supraspinatus)の治癒と治療法

棘上筋は肩甲骨の上部に位置し、上腕骨に付着する棘上腱とつながっています。この腱は肩のローテーターカフを構成する4本の腱のうちの1本で、上腕を肩関節に固定する役割を担います。外傷や過度の使用により炎症、断裂、破裂が起こり、治癒には時間がかかり、場合によっては手術が必要になることがあります。

損傷の原因

  • 頭上に腕を上げる動作を繰り返すスポーツ(野球の投球、ウェイトリフティング、水泳の特定の泳法)では、上腕骨の上部が肩関節に摩擦し、腱繊維が徐々に損傷します。特に、筋力や安定性を十分に鍛えていないアマチュア選手や週末スポーツ愛好者に多く見られます。
  • 重い転倒や腕を後方にねじるような急激な動きも棘上筋の損傷を引き起こす要因です。

非手術的治療と回復

  • 軽度の炎症や部分断裂の場合、まずは患部を冷却し、後に温熱療法と安静を組み合わせます。その後、固定物に取り付けたエラスティックバンドを用いたリハビリ運動を行います。具体的には、腕を体側に下げた状態でバンドを握り、前方、後方、外旋、胸前横断の順に動かすことでローテーターカフを強化し、再損傷を防ぎます。痛みが持続する場合は医師の診察を受けましょう。
  • 腱の断裂に対しては、M. Cumpstonらが「Cochrane Database of Systematic Reviews」で報告したように、外用グリセリントリナートの使用が一部の患者で疼痛軽減を示しましたが、副作用として頭痛が報告され、長期的効果は不明です。
  • E. Maman(2009年)によると、60歳未満の患者では部分断裂の非手術治療で断裂が縮小するケースもありますが、全体の52%で断裂が拡大しました。全層断裂の場合、研究対象の24%で棘上筋の萎縮が認められました。

手術的治療と回復

  • M. J. DeFranco(2007年)「Journal of Shoulder and Elbow Surgery」に掲載された研究では、関節鏡下手術が高い成功率を示す一方で、治癒不全や再断裂が一定数報告されています。手術後のリハビリテーションが回復に重要です。

棘上筋の損傷は、原因と程度に応じて保存的治療から手術まで幅広い選択肢があります。早期の診断と適切なリハビリテーションが、機能回復と再発防止の鍵となります。

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