アトニック発作(ドロップ発作)とは
アトニック発作(ドロップ発作)は、全般性発作の一種で、筋緊張が急に失われることで突然倒れ込む危険な発作です。正確な診断と適切な治療が重要です。
全般性発作とは
全般性発作は脳全体が同時に過剰に興奮することで起こります。代表的なものに、意識喪失や全身の強直・けいれんを伴う「強直間代発作」、短時間の意識消失とまばたきのある「欠神発作」、四肢が急に痙攣する「ミオクローヌス発作」、そして筋緊張が急激に低下し転倒する「アトニック発作(ドロップ発作)」があります。これらは局所性発作と異なり、脳の一部だけでなく全体が関与します。
アトニック発作の特徴
アトニック発作は別名「アスタティック発作」や「アキネティック発作」とも呼ばれ、予告なしに筋緊張が急激に低下し、まばたきや頭部の垂れ下がり、姿勢保持ができずに倒れることが特徴です。発作は通常10〜20秒程度続き、意識が失われることもありますが、必ずしも意識消失を伴うわけではありません。
アトニック発作のリスク
突発的に倒れるため、頭部や顔面の外傷、骨折、重度の打撲などの二次的なケガのリスクが高くなります。そのため、転倒時の衝撃を和らげるためにヘルメットやプロテクターの着用が推奨されます。
てんかんの診断
てんかんが疑われる場合、まず神経学的・行動的評価が行われます。血液検査で貧血や糖尿病などの二次的原因を除外し、脳の構造的異常を調べるためにCTやMRIが実施されます。最も一般的な診断法は脳波検査(EEG)で、異常な脳波パターンを確認します。必要に応じてPET検査なども用いられます。
アトニック発作の治療
アトニック発作は薬剤に対して抵抗性が高いとされています。国際てんかん連盟(ILAE)の報告によると、ラモトリギン、フェルバメート、トピラマートといった新しい抗てんかん薬が発作頻度を減少させることが報告されています。特に、バルプロ酸とラモトリギンの併用が第一選択薬とされています。薬物療法が効果を示さない場合は、脳梁切断術(コロソトミー)が検討され、術後に発作頻度が約80%減少したというデータがあります。
