HDLコレステロールを下げる食品と対策
HDLコレステロールとは
HDL(高密度リポタンパク)は "善玉" コレステロールと呼ばれ、血管にたまった余分なコレステロールを肝臓へ運び戻す働きがあります。LDL(低密度リポタンパク、いわゆる "悪玉" コレステロール)が血管壁に沈着すると動脈硬化のリスクが高まりますが、HDLが十分にあるとそのリスクを低減できます。医師は通常、LDLを下げつつHDLを上げることを目標に指導します。
しかし、食生活の偏りや特定の食品の過剰摂取は、HDLのレベルを下げてしまうことがあります。以下では、HDLを低下させやすい食品とそのメカニズムを解説します。
飽和脂肪酸の影響
かつては飽和脂肪酸がLDLを上昇させ、結果としてHDLが低下すると考えられていました。卵やココナッツオイルなどが代表例です。
近年の研究では、飽和脂肪酸そのものが直接心血管疾患を引き起こす証拠は十分でないことが示されています。むしろ、飽和脂肪は細胞の成長やカルシウム吸収、免疫機能に必要な栄養素です。
重要なのは「自然な食品」から摂取するかどうかです。加工食品(例:ポテトチップスや菓子類)には、飽和脂肪に加えてトランス脂肪酸や過剰な糖分が含まれやすく、HDLを下げやすい傾向があります。卵やココナッツを適量食べる分には問題ありませんが、加工品は控えめにしましょう。
トランス脂肪酸がHDLを低下させる
米国心臓協会(AHA)によれば、トランス脂肪酸はHDLコレステロールを減少させることが明確に示されています。例外として、肉や乳製品に自然に含まれる少量のトランス脂肪は影響が小さいとされています。
1日2,000kcalの食事で許容されるトランス脂肪酸は約20kcal(約2g)以下です。実際には、以下のような加工食品に多く含まれています。
- 冷凍ピザ、マーガリン(特にスティックタイプ)
- ショートニング、ラーメンのスープ粉末
- ドーナツ、クッキー、ケーキミックス、ポテトチップス
- ファストフードのフライドポテトやフライドチキン
食品表示で「トランス脂肪0g」と記載されていても、1食あたり0.5g未満の場合は「0」と表示できるため注意が必要です。たとえば、オレオのスリーブ1箱でも実質的にトランス脂肪を摂取しています。
トランス脂肪酸の有無は、原材料欄で「partially hydrogenated oil(部分的に水素添加された油)」「shortening(ショートニング)」と記載があるかで簡単に確認できます。これらがあれば、たとえ栄養成分表で「0g」と書かれていてもトランス脂肪酸が含まれています。
HDLを守る食生活のポイント
- 魚(特に青魚)やナッツなど、オメガ-3脂肪酸を含む食品を積極的に摂る。
- 飽和脂肪は自然のままの卵やココナッツを適量にとどめ、加工品は控える。
- トランス脂肪酸が含まれる加工食品はなるべく避け、原材料欄をチェックする。
- 食物繊維や野菜・果物を豊富に摂り、総合的にコレステロールバランスを整える。
これらのポイントを守れば、HDLコレステロールを高め、心血管リスクを低減させることが期待できます。
