インフルエンザウイルスとは何か
種類
インフルエンザウイルスは単一のウイルスではなく、A、B、C の3タイプに分類される。A型は最も重症で大流行を引き起こしやすく、B型は変異が遅く流行規模が小さい。C型は最も軽い形態で、変異も遅い。
サブタイプ
A型はさらに表面のヘマグルチニン(H)とノイラミニダーゼ(N)の組み合わせで細分化される。例として H5N1 はヘマグルチニンが5、ノイラミニダーゼが1の株である。ヘマグルチニンはウイルスが宿主細胞に結合するための糖タンパク質、ノイラミニダーゼは感染後にウイルスが細胞から離脱する際に働く酵素である。
症状
インフルエンザの主な症状は、呼吸困難、喘鳴、くしゃみ、発熱、寒気、全身の筋肉痛や関節痛などである。風邪に似た症状もあるが、通常はより重症化する。高熱が出た場合はインフルエンザの可能性が高く、診断は医師に委ねる。
治療法
インフルエンザは自然に経過する疾患であるが、抗ウイルス薬(例:オセルタミビル)により症状の重さや期間を軽減できる。ただしウイルスを完全に除去することはできない。抗生物質は細菌感染にのみ有効である。安静と十分な水分補給が基本的な対処法となる。
予防
予防の基本は手洗いなどの衛生管理である。咳やくしゃみは袖口や肘で受け止め、手に直接触れないようにする。感染が拡大している地域では、ウイルス除去用の消毒剤で表面を清掃することが有効。ワクチン接種も有効だが、100%の予防は保証できない。
歴史と流行期
インフルエンザは一年中発症するが、特に冬季に室内での密集が増えるため流行しやすい。過去最大のパンデミックは1918-1919年のスペイン風邪で、約2000万人が死亡した。1957年のアジア風邪でも約100万人が死亡した。
