インフルエンザワクチン(ショット)の成分は?

歴史と進化

インフルエンザは現在では軽い症状とみなされることが多いが、20世紀初頭のスペイン風邪では何百万人もの死亡者が出た。治療法が限られていたため、ウイルスの予防が求められた。研究者は鶏卵でウイルスを増殖させる方法を発見し、これを利用したワクチンの開発が始まった。現在でも鶏卵を用いた製造工程は基本となっている。

ウイルスの選定

毎年使用されるインフルエンザワクチンは、複数のウイルス株の組み合わせで構成され、株は年ごとに変わる。世界保健機関(WHO)と各国の専門家は、世界中で採取されたウイルスサンプルを分析し、流行の可能性が高い株を選定する。選ばれたウイルスは鶏卵で増殖させ、純度と安全性を確認した上でワクチンに加工される。

注射(インフルエンザショット)

製造・検査を経たワクチンは、注射用に調整される。主な成分は次のとおり。

  • 不活化(死滅)したウイルス(鶏卵で増殖)
  • 保存のためのホルムアルデヒド(ウイルスを無毒化)
  • 微量のチメロサール(防腐剤)※CDCによるとごく少量のみ使用

鶏卵由来のため、鳥類や鶏卵アレルギーのある人は接種前に医師に相談する必要がある。

鼻腔内スプレー(インフルエンザミスト)

鼻腔内スプレー型ワクチン(商品名:FluMist)は、注射用ワクチンとは成分が異なる。チメロサールは含まれず、弱毒化された生きたウイルスが低用量で含まれている。

将来の代替ワクチン

現在、鶏卵以外の製造方法が研究されている。たとえば、哺乳類細胞系統を用いた「Optaflu」は、鳥アレルギーの人でも接種可能と期待されている。Optafluは欧州連合で承認されているが、米国ではまだ承認されていない。

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