高齢者のうつ病に関する研究

高齢者のうつ病は、正常な老化現象でも必然でもありません。多くのケースで、身体的・生活習慣上の問題が併存しています。早期診断と健康増進、社会的活動への参加が予防・軽減に効果的です。

原因

  • 研究では、高齢者が自然にうつ病になるわけではなく、身体的健康の悪化が主な引き金になると指摘されています。特に慢性的な身体・精神の衰えがある人で発症リスクが高まります。
  • 脳への血流を低下させる血管性疾患も、うつ症状の原因となり得ます。
  • 収入減少や孤独感といった生活の質の低下も、うつ病を誘発する要因です。

リスクが高い人

  • 女性の方が男性よりもうつ病になりやすく、長期間にわたり症状が続く傾向があります。米ユタ州キャッシュ郡の調査では、女性のうつ病診断率が男性のほぼ2倍でした。
  • 高齢女性は配偶者の介護や、長寿による生活環境の変化がリスク要因と考えられます。

結果

  • うつ病を抱える高齢者は、他の疾患と併存することが多く、医療機関への受診回数が増え、治療費も健康な同年代の約2倍になります(American Journal of the Geriatrics Society, 2009)。
  • 特に白人男性のうつ病患者は、他のどのグループよりも自殺リスクが高いことが報告されています。

診断・治療

  • 一次医療の現場では、身体的症状に注目しすぎて精神的問題が見過ごされがちです。高齢者向けの短い質問票「Geriatric Depression Scale(GDS)」を活用すれば、未診断のうつ病を迅速に発見できます(スタンフォード大学)。
  • 薬物療法は一般的ですが、抗うつ薬単独よりも薬物と精神療法(カウンセリング)を組み合わせた方が効果的です。ただし、他の疾患で服用中の薬が抗うつ薬使用を制限する場合もあります。

自然な解決策・予防策

  • 定期的に教会などの宗教活動に参加する高齢者は、うつ病になるリスクが低いことがキャッシュ郡の調査で示されています。
  • インターネットを活用したオンライン交流も、うつ症状の予防に有効です(フェニックスセンターの研究)。直接的・間接的な社会的つながりが、精神的健康を支えます。

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