高齢者におけるうつ病の実態と対策
頻度
うつ病は高齢者に非常に多く見られます。米国精神疾患協会(NAMI)によると、65歳以上の米国人口約3,500万人のうち、650万人以上がうつ病と診断されています。
原因
高齢者のうつ病は、さまざまな喪失が重なって起こります。主な要因は以下の通りです。
- 身体機能の低下
- 家族や友人との別離・死別
- 社会的交流の減少
- 認知機能の低下
- 生活様式の変化
- 自立性や移動力の喪失
症状
加齢に伴う身体的疾患と症状が重なるため、うつ病の兆候が見逃されがちです。ニューヨーク・タイムズは「うつ症状はがん、アルツハイマー病、脳卒中、関節炎などの高齢者に多い疾患と混同されやすい」と指摘しています。
治療法
身体的に健康な高齢者に対しては、心理療法と抗うつ薬の併用が最も効果的とされています(米国国立精神衛生研究所NIMH)。個々の状態に合わせた治療計画が重要です。
診断のポイント
高齢者のうつ病は見つけにくく、症状が見過ごされがちです。NAMIは「うつは老化の正常な一部と誤解され、慢性疾患や喪失、社会的変化への自然な反応と考えられることが多い」と報告しています。
留意点
記憶障害や家族への負担を考えて、本人がうつを訴えにくいケースがあります。以下の変化に注意してください。
- 倦怠感や活力の低下
- 食欲不振
- 社会的孤立の増加
- 気分の変動や無気力感
- 自傷や自殺念慮
上記の症状が見られたら、速やかに医師の診察を受けましょう。
