インスリン抵抗性の標準検査
症状
インスリン抵抗性は、脂肪、筋肉、肝臓の細胞がインスリンを正しく利用できなくなる状態です。通常、インスリンはこれらの細胞にグルコースの取り込みとエネルギー利用を促しますが、抵抗性があると、同じ効果を得るためにより多くのインスリンが必要になります。膵臓はインスリンの産生で追いつかず、結果として血中ブドウ糖が上昇します。インスリン抵抗性自体は症状がほとんどありませんが、糖尿病など症状を伴う疾患につながります。重度の場合、首の後ろなどに暗い斑点(アカント症)が現れることがあります。
空腹時血糖検査
検査前に8時間の絶食が必要です。血液サンプルを採取し、空腹時血糖値が100 mg/dL を超えると、インスリン抵抗性の可能性があります。
経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)
8時間絶食後、甘い液体(75g のブドウ糖)を飲み、2時間後に血糖値を測定します。血糖値が140 mg/dL 以上であれば、インスリン抵抗性が疑われます。
ユーログリセミッククランプ法
別名ハイパーインスリン血糖平衡クランプ法です。片腕にインスリンを静脈注入し、もう一方の腕に可変速度でブドウ糖を注入します。一定時間ごとに血液検査を行い、インスリンが筋肉・脂肪・腎臓の細胞でどれだけグルコース利用を促すかを評価します。血中に残るブドウ糖が多いほど、インスリン抵抗性が高いと判断されます。
留意点
ユーログリセミッククランプはインスリン抵抗性を直接測定できる唯一の検査ですが、費用が高く、実施が限定的です。そのため、臨床では主に空腹時血糖検査や経口ブドウ糖負荷試験が用いられます。もし体重減少、強い渇き、吐き気・嘔吐などインスリン不足の症状がある場合は、速やかに医師に相談してください。
