インスリン・スライディングスケールとは?
定義
インスリン・スライディングスケールは、血糖値に応じてインスリン投与量を決定する指示セットです。一般的なチャート形式のものは体重や活動量に基づき多数の患者に適用されますが、患者ごとの病歴やニーズに合わせて医師が個別に作成するタイプもあります。
使用例
主にインスリン調整期間、感染症や入院中など急性の血糖管理が必要な時に短期間で利用されます。また、血糖が200 mg/dLを超えたら追加で2単位投与するなど、既存の血糖管理計画のバックアップとして指示されることもあります。長期的な血糖管理には推奨されません。
メリット
医師に毎回相談する必要がなく、看護師や患者が血糖測定結果に基づいて即座にインスリンを投与できる点が利点です。血糖が急激に上昇しやすい不安定な糖尿病患者の緊急対応にも有効です。
デメリット
血糖値に対して反応的に投与量を決めるため、予防的な血糖コントロールができず、血糖の大きな変動を招きやすいと指摘されています。多くの専門家は、血糖上昇を未然に防げない点から理想的な治療法とはみなしていません。
論争点
近年、医療現場ではスライディングスケールの使用に対し批判的な声が増えており、時代遅れで「怠惰な」方法と見なされることがあります。特に、看護師が頻繁にインスリンの指示を求める手間を避けたい医師が安易に採用しているとの指摘もあります。
