黄疸治療に使われるステントとは?
概要
ステントは、金属やプラスチック製の細いチューブで、胆管や血管を開いた状態に保ち、閉塞を防ぐ役割を果たします。黄疸患者においては、胆管から腸へ胆汁がスムーズに流れるようにし、胆汁の滞留による黄疸症状(皮膚・眼球の黄変、かゆみ、濃い尿、色の変わった便)を軽減します。金属ステントはプラスチックステントに比べ、長期間にわたりトラブルが少ないとされています。
適応症
すべての黄疸にステントが有効なわけではありません。肝細胞の機能不全による黄疸など、胆汁の産生自体が問題になるケースには効果がありません。主に、胆嚢から腸へ胆汁を運ぶ胆管が腫瘍(膵臓がん、リンパ節腫大、瘢痕組織など)によって圧迫され、閉塞した場合にステントが適用されます。
手順
ステント留置は全身麻酔を必要とせず、鎮静剤だけで行われます。医師は内視鏡(ERCP)または経皮経肝胆道造影(PTC)を用いて胆管内の閉塞部位を確認し、ステントを胆管内に配置します。内視鏡の場合はカメラ付きチューブで胆管を観察し、造影剤の映像で閉塞位置を特定します。経皮的手法では皮膚から針を刺し、ガイドワイヤーを通してステントを導入します。
回復とアフターケア
鎮静剤の効果が切れた後は、胆管を通じた細菌感染を防ぐために抗生物質を服用します。発熱や寒気など感染症の兆候が現れた場合は速やかに医療機関を受診してください。通常、数日以内に症状の改善が見られ、適切に設置されたステントは数か月から半年以上にわたり黄疸の再発を防ぎます。
留意点
ステントは長期間機能し続けるとは限りません。数か月後に再閉塞することがあり、その際は再留置手術が必要です。また、ステントだけで黄疸が改善しない場合は、外科的バイパス手術が検討されます。バイパスは侵襲が大きく、手術リスクや回復期間を十分に考慮し、家族や医師と相談した上で判断することが重要です。
