胆嚢手術後の感染リスクと対策

胆嚢は肝臓の下部右側に位置する小さな梨形の臓器で、肝臓で作られた胆汁を貯蔵し、脂肪の多い食事の消化を助けます。胆管に炎症や感染が起こり胆汁の流れが妨げられると、胆嚢摘出術(胆嚢切除)が推奨されます。腹腔鏡下胆嚢摘出術(ラパロスコピー)と開腹胆嚢摘出術の2種類があり、どちらも全身麻酔下で行われます。手術は安全ですが、感染を含む合併症のリスクはゼロではありません。

術前の注意点

  • 手術前に抗生物質を数日間投与し、感染予防を行います。手術中も静脈内投与で抗生剤を使用することがあります。
  • 医療器具、ガウン、マスクの滅菌、徹底した手指消毒、入院期間の短縮などが細菌やウイルスへの曝露を減らします。

入院と退院の流れ

  • 腹腔鏡下胆嚢摘出術は通常日帰り手術です。手術後数時間は病院で観察し、問題がなければ同日退院します。退院後は自己管理と経過観察の指示を受けます。
  • 開腹手術の場合は術後の経過観察が必要なため、最大で6日間入院します。

術後の痛み

  • 臓器の位置変化や手術中に注入されたガスにより、術後に痛みを感じることは一般的です。痛みの程度は個人差があり、疼痛スケールで評価されます。
  • 必要に応じてイブプロフェンなどのNSAIDsや、必要な場合はオピオイド系鎮痛薬が投与されます。数日経っても痛みが軽減しない、または悪化する場合は胆石残存や感染の可能性があるため、速やかに医師へ連絡してください。

肺炎の予防

  • 腹部手術後は肺炎が起こりやすく、特に入院中の死亡原因のひとつです。肺炎は浅い呼吸と痰の貯留が特徴で、咳が出にくくなります。
  • 呼吸リハビリとして、深呼吸やインセンティブスパイロメータの使用が指示されることがあります。

切開部位の管理

  • 切開はステープル、縫合糸、またはステリストリップで閉鎖されます。術後1週間から10日程度で外来受診し、ステープルや縫合糸の除去、またはステリストリップの経過確認を行います。
  • 傷口は乾燥・清潔を保ち、感染を防ぎます。シャワーは可能ですが、開放創のままの入浴は避けてください。指示通りにドレッシングを交換し、黄色く粘稠な膿が出た場合は感染のサインですので、直ちに医師へ連絡してください。

胆管損傷

  • 胆管は肝臓から胆嚢、胆嚢から小腸へ胆汁を運ぶ管です。手術中に器具が胆管を傷つけることがあり、胆汁漏れを引き起こす可能性があります。胆汁が腹腔内に漏れると重篤な感染を招く恐れがあります。
  • 術後数日で痛みが続く、または悪化した場合は速やかに医師に相談してください。治療は損傷部位や程度に応じて、抗生剤投与や外科的修復が行われます。

膵炎

  • 胆嚢摘出術後に膵炎(膵臓の炎症)が起こることがあります。主な症状は腹痛、発熱、黄疸、嘔吐です。
  • 膵炎の治療は電解質・体液バランスの正常化と疼痛管理が中心です。必要に応じて入院治療が行われます。

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