クローン病におけるESR(赤血球沈降速度)とは?

クローン病は消化管に炎症を起こす疾患で、主に小腸に発症しますが、大腸や胃、食道に及ぶこともあります。腹痛、下痢、消化不良、体重減少などの症状が見られます。

ESRの定義

ESRは「赤血球沈降速度(Erythrocyte Sedimentation Rate)」の略です。血液中の赤血球が沈降する速度を測定し、体内の炎症の有無を示す指標として利用されます。

検査手順

ESR検査は患者さんの血液少量を採取し、特別な装置で測定します。検査時間は短く、痛みもほとんどありません。

検査結果の見方

血液サンプルを一定時間放置すると、赤血球は底部に沈み、血漿は上部に残ります。クローン病患者では赤血球の沈降が通常より速くなるため、ESRが高値を示します。

ESRと併用する検査

ESRだけではクローン病の診断は不十分です。白血球数の増加や貧血の有無も確認します。また、X線、便培養、内視鏡検査(大腸内視鏡・上部消化管内視鏡)などが併用されます。

ESR検査の重要性

クローン病は診断が難しいことがありますが、ESRは他の検査と組み合わせることで診断の補助となります。早期に診断できれば、適切な治療や栄養・生活指導を早めに開始できます。

ESRの意義

炎症性腸疾患の中でも、特に大腸に病変があるクローン病患者ではESRが高くなる傾向があります。一方、小腸の病変(回腸炎)では必ずしも高値にならないことが報告されています。

ESRの限界

ESRは炎症の有無を示す指標に過ぎず、クローン病の有無を単独で判定することはできません。また、診断済みの患者に対しては、病勢の進行や再燃・寛解の予測には用いられません。

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