潰瘍性大腸炎の手術の種類とポイント
概要
潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜が慢性的に炎症を起こす疾患で、潰瘍や血便、腹部膨満感などの症状が出ます。薬物療法でコントロールできない場合や穿孔・大量出血・毒性巨大結腸などの合併症が起きた際は、手術が選択肢となります。
手術の基本的事実
- 大腸と直腸を全て切除する「全大腸直腸切除術(プロクトコレクトミー)」が根治的治療となります。病変が部分的であっても全ての大腸を除去します。
- 大腸を除去すると水分の再吸収ができなくなるため、便は液状になり、肛門からか、人工肛門(ストーマ)から排出されます。
1. プロクトコレクトミー+回腸ストーマ
大腸と直腸を全て取り除き、回腸の末端を腹部に作ったストーマに接続します。便は回腸からストーマを通じてオステオミーバッグに排出されます。
2. 回腸肛門吻合術(プルスルー法)
大腸・直腸を除去し、残った直腸筋層に回腸を接続して「サック」を作ります。術後は一時的に回腸ストーマを設置し、サックが癒合した約10〜12週間後にストーマを閉鎖し、通常の排便が可能になります。
3. 大腸全切除+コンチネント回腸ストーマ
大腸全摘出後、回腸で腹部に小さな防漏カプセル(バルブ)を作り、皮膚上の開口部からチューブで便を排出します。手術後数か月は防漏カプセルにオステオミーバッグを装着しますが、現在はあまり選択されません。
術後の留意点
- 手術前に医療チームと十分に情報共有し、術式・術前準備・術後管理・合併症について理解しておくことが重要です。
- 術後の生活適応やサポートグループの活用は、QOL向上に大きく寄与します。
