虫垂炎の兆候と症状
虫垂は大腸から盲腸にかけて伸びる細長い管状の組織です。感染により腫れ炎症を起こすと虫垂炎になります。10歳から30歳の若年層に多く見られますが、年齢は問わず発症します。米国では毎年8万件以上の手術が行われ、腹部手術の緊急度で最も高い疾患とされています。
痛みの場所
虫垂炎の最も典型的な症状は、痛みが最初はへその周辺に現れ、12〜18時間で右下腹部へと移動します。最終的にはへそと右骨盤上部の中間あたりに痛みが集中します。幼児や妊娠中の女性では、痛みが下腹部の別の部位に現れることがあります。
痛みの強さ
右下腹部を押すと痛みが増す「反跳痛」が特徴です。圧迫して急に手を離すと、炎症部位に強い不快感が走ります。咳やくしゃみ、急な動きでも痛みが激しくなります。横向きに寝る、膝を胸に抱えるといった姿勢で痛みが和らぐことがあります。
その他の症状
食欲不振や発熱が伴うことが多く、吐き気・嘔吐、腹部膨満感も見られます。便秘やガスが出にくくなることもありますが、下痢様の排泄が起こることもあります。
虫垂破裂時の症状
虫垂が破裂すると、腸内容物が腹腔に漏れ出し、腹膜炎(腹膜炎症)を引き起こします。破裂直後は局所の痛みが和らぎますが、腹部が膨らみ、全体的に圧痛を伴うようになります。ガスや便の排出が困難になり、強い渇きと高熱が出ます。腹膜炎は緊急症で、迅速な治療が必要です。
診断方法
虫垂炎は診断が難しいことが多く、症状と身体所見を総合して判断します。反跳痛や腹部の硬直感を確認し、血液検査で白血球数の増加を調べます。尿検査で腎結石や尿路感染を除外し、画像検査として腹部X線、超音波、特にCTスキャンがよく用いられます。
