酸逆流(胸焼け)による二次的合併症
胸焼け(酸性消化不良)は比較的よく見られ、約19.8%の人が週に1回は経験するとされています。軽度の場合は不快感程度で、制酸薬で対処できることが多いです。しかし、5年以上続く慢性的な胸焼けや、痛みで睡眠が妨げられるほどの重度の症状は、胃食道逆流症(GERD)を示唆します。GERDは人口の5〜7%に見られ、持続的な酸逆流により様々な二次的合併症を引き起こす可能性があります。
食道炎
胃酸が頻繁に食道へ逆流すると、食道粘膜が酸にさらされて炎症を起こします。これにより粘膜が侵食されたり潰瘍ができ、出血や胸部の痛みを伴うことがあります。
バレット食道
慢性的な酸逆流が続くと、食道の上皮細胞が小腸に似た形に変化します(バレット食道)。男性に多く見られ、約200人に1人の割合で食道がんへ進行するリスクがあります。
食道狭窄
酸による繰り返しの粘膜損傷が瘢痕化すると、食道が狭くなります(食道狭窄)。飲み込みが困難になることがあり、内視鏡的に拡張する治療が行われます。
食道がん
まれですが、長期間の酸逆流は食道がんのリスクを高めます。特に酸に最もさらされる下部食道に腺がんが発生しやすく、初期には症状が現れにくいため、進行時に診断されることが多いです。
予防と治療
二次的合併症を防ぐためには、胸焼けのコントロールが重要です。脂っこい食事、辛い料理、柑橘類、トマトなど酸を刺激する食品を控え、食後すぐに横にならないようにします。また、食事前に制酸薬を服用することや、体重管理、禁煙も有効です。重症の場合は医師の指導のもと、プロトンポンプ阻害薬などの薬物療法や外科的治療が検討されます。
