体内流体を動かす圧力勾配の仕組み

体内の流体が流れる主な原動力は、循環系内の2点間の圧力差です。この圧力勾配が血液やその他の体液の移動に必要なエネルギーを提供します。圧力勾配を理解することは、さまざまな生理プロセスにおける流体力学を把握する上で重要です。

1. 動脈系

動脈系では、心臓の拍出が圧力の源です。心筋が収縮(収縮期)すると、酸素を含んだ血液が高圧で動脈へ押し出されます。この高圧は「収縮期血圧」と呼ばれます。

2. 静脈系

静脈系の主な駆動圧は、骨格筋ポンプの働きです。骨格筋が収縮すると隣接する静脈が圧迫され、静脈内圧が上昇し、血液が心臓へ戻ります。特に下肢など重力に逆らう部位で重要です。

3. 呼吸器系

呼吸運動は胸腔内圧の変化をもたらし、循環系の圧力に影響します。吸息時に胸腔が拡大し負圧が生じ、心臓の充満と静脈還流を助けます。呼気時には胸腔圧が上昇し、血液を心臓から動脈へ押し出す力となります。

4. リンパ系

リンパ系では、組織間液とリンパ管との間の圧力差が流れの原動力です。組織間に液体がたまると水圧が上昇し、リンパ管内圧を上回ると液体はリンパ管に取り込まれ、最終的に血流に戻ります。

血管トーン、血液粘度、血管の弾性なども流体の動態に影響しますが、上記の圧力勾配が循環系とリンパ系全体の流れを支える主要な駆動力です。

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