植物病を引き起こす寄生体とは?
植物病を引き起こす寄生体とは
寄生体とは宿主の体内または表面で生活し、宿主から栄養を得る生物のことです。植物における病害の原因となる寄生体は主に真菌、細菌、ウイルス、そして線虫です。
真菌
真菌は植物病の中で最も一般的な寄生体です。顕微鏡的酵母から大型のキノコまで多様な形態があります。葉斑、しおれ、腐敗など様々な症状を引き起こします。代表的な真菌性病原体は次の通りです。
・Botrytis cinerea:ブドウやトマトなどに灰色カビを発生させます。
・Fusarium oxysporum:バナナやキュウリにしおれ症をもたらします。
・Phytophthora infestans:ジャガイモやトマトの晩疫病の原因です。
・Rhizoctonia solani:苗の腐敗(ダンピングオフ)や根腐れを引き起こします。
細菌
細菌は土壌や水、空気中に広く分布する単細胞生物で、葉枯れ、しおれ、腐敗などの病を引き起こします。主な細菌性病原体は以下です。
・Agrobacterium tumefaciens:植物の根部や茎部に根瘤腫(くびれ腫)を形成します。
・Clavibacter michiganensis:キュウリやトマトに細菌性しおれを引き起こします。
・Erwinia amylovora:リンゴやナシに火病(ファイアブライト)を起こします。
・Pseudomonas syringae:多くの作物で細菌性葉斑を発症させます。
ウイルス
ウイルスは細胞外では増殖できない非細胞性の病原体で、葉の斑紋、黄化、徒長などをもたらします。代表的なウイルス性病原体は次の通りです。
・Cucumber mosaic virus:キュウリやトマトにモザイク症状を引き起こす。
・Tobacco mosaic virus:タバコやトマトにモザイクを発症させる。
・Tomato spotted wilt virus:トマトやピーマンにしおれ症をもたらす。
線虫
線虫は土壌に生息する細長いミミズ状の微小動物で、根腐れ、徒長、黄化などの障害を引き起こします。代表的な線虫性病原体は以下です。
・Meloidogyne incognita:根結び線虫として多数の作物に被害を与える。
・Pratylenchus penetrans:傷害線虫で根組織に病斑を作る。
・Xiphinema index:ブドウや桃にダガー線虫を引き起こす。
