組織灌流不全とは何か?
組織への血流が不十分になると、酸素供給が不足し、臓器の機能不全が始まります。この状態は診断名であると同時に、症状やサインとして現れます。
灌流の基本
灌流とは、血液が体内を阻害なく循環する能力です。血液中のヘモグロビンは、肺の毛細血管で呼吸により酸素と結合し、1分子のヘモグロビンに4分子の酸素が結合します。ヘモグロビンが十分に酸素と結合できない、または酸素化された血液が全身へ自由に流れない場合、組織灌流不全が生じます。
脳の灌流
脳が正常に機能するために必要なのは、酸素化血液と一定量のブドウ糖です。酸素豊富な血液が脳組織に届かないと、組織死が始まります。心肺蘇生(CPR)は、心臓が血液を送り出さなくなった際に、脳への酸素供給を維持するための救命処置です。脳は酸素供給が止まってから約4〜6分で不可逆的な損傷が始まります。
心臓の灌流
心筋梗塞時、冠動脈にプラークが蓄積し血管が閉塞すると、血液は心筋壁を通って酸素を供給しません。心臓は拡張期に自身の血管系を通じて血液を受け取りますが、血管が血栓(thrombus)で詰まると、酸素供給が不足し心筋組織が死滅します。
糖尿病患者における灌流不全
糖尿病患者は、特に下肢の血流が低下しやすく、傷の治癒が遅れます。足の切り傷や巻き爪、締め付けの強い靴などが潰瘍化し、組織灌流が不十分になると壊死し、最悪の場合は切断が必要になることがあります。
灌流不全の治療法
灌流不全の治療は主に対症的です。酸素投与はヘモグロビンへの酸素結合を助けます。心肺蘇生は脳への酸素供給を維持します。血栓が疑われる場合は抗凝固薬を使用し、糖尿病性潰瘍には高圧酸素療法が有効で、切断リスクを低減します。
