フレイルチェスト患者のための運動療法
フレイルチェストは、胸部の一部が周囲の骨格から剥がれ、独立して動く状態です。この状態は呼吸機能の低下を招き、肺炎などの合併症リスクが高まります。回復には長期のリハビリが必要で、看護師や理学療法士が他の筋肉を維持するために受動的可動域訓練(パッシブROM)を行います。
可動域運動(パッシブROM)
受動的可動域運動は、患者が自力で動かせない間に第三者が関節を動かし、筋肉の萎縮を防ぐ一時的な対策です。通常、四肢(腕・脚)に対して1日1〜2回、リハビリ期間中に継続的に実施します。
肘の屈曲(エラボ・ベンド)
肘の屈曲運動は、胸部の回復中に腕の可動性を保つために行います。手順は次のとおりです。
- 患者の腕を体側に添わせ、手のひらが天井方向を向くように持ちます。
- 肘をゆっくり曲げ、指先が肩に軽く触れるまで持ち上げます。
- この動作を左右それぞれ10〜20回繰り返します。
- 次に腕を横に伸ばし、体に対して90度の角度を保ったまま同様に屈曲させ、別の可動域を刺激します。
膝の回旋(ニー・ローテーション)
膝の回旋運動は、下肢の柔軟性を維持し、股関節の可動域を確保するために行います。
- 患者の下腿を手で握り、膝を45度に曲げて足をベッドに平らに置きます。
- 膝を内側に軽く押し、股関節を回旋させながら膝が体の中央に向くように動かします。
- 同じ動作を逆方向(外側)にも行い、股関節を両方向に動かします。
- 各方向で10〜20回、ゆっくりとしたリズムで繰り返し、反対側の脚でも同様に実施します。
これらのエクササイズは、患者の安全を最優先に、無理のない範囲で行うことが重要です。疼痛や異常が見られた場合はすぐに中止し、専門家に相談してください。
