小児におけるクッシング症候群

クッシング症候群(クッシング病)は、子どもでは非常に稀な疾患です。米国クッシング研究支援財団によれば、年間に100万人の子どもがいる中で診断されるのは 1〜2 人程度です。副腎から過剰に分泌されるコルチゾールが原因で、代謝機能の維持やストレスへの対処に不可欠なホルモンですが、過剰になるとさまざまな症状が現れます。

原因

  • 関節炎や腰痛の治療で用いられるステロイド注射や薬剤によるものは成人で多く見られますが、子どもは通常使用しないため、ほとんどは体内でコルチゾールが過剰に産生されることが原因です。
  • 過剰産生は、非悪性の下垂体腺腫(ピットゥイタリー腺腫)や副腎自体の疾患に起因することがあります。

主な症状

  • 体重増加と身長伸長の遅れ、血圧上昇が典型的です。
  • 丸い顔(ムーンフェイス)、頭痛、イライラ感、皮膚の薄さ、紫斑やあざのように見える紫色の斑点、疲労感、血糖値上昇、四肢の細細化などが報告されています。

診断

  • 小児内分泌科専門医への紹介が行われ、過去の体重・身長や症状が出現する前の写真などを比較して診断の手がかりにします。
  • 医師は病歴の詳細な聴取と身体測定を実施します。

検査

  • 24時間尿中コルチゾール測定:尿サンプルを 24 時間分集め、コルチゾール濃度を測定します。
  • 血中コルチゾールやACTH(副腎皮質刺激ホルモン)レベルの測定。
  • 画像診断(MRI または CT)で下垂体や副腎の肥大、腫瘍の有無を確認します。

治療

  • 原因が腫瘍の場合は外科的切除が第一選択です。下垂体腺腫の除去や、片側または両側副腎の摘出が行われます。
  • 副腎摘出後は、生涯にわたってホルモン補充療法が必要です。
  • 手術後の回復期間は 2 週間から 2 ヶ月程度で、コルチゾールレベルの再調整に伴う記憶力や集中力の低下が見られることがあります。家族からの情緒的サポートが重要です。

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