高カルシウム血症の鑑別診断

一次性副甲状腺機能亢進症と癌

一次性副甲状腺機能亢進症は、副甲状腺の過剰な活動により血中カルシウムが上昇する主因です。閉経後の女性に多く見られます。

肺癌や乳癌などの悪性腫瘍は、パラトルモン様ペプチドを産生し、骨からカルシウムが放出されることで高カルシウム血症を引き起こします。

その他の原因

  • 結核やサルコイドーシスなどの肉芽腫性疾患は、ビタミンD活性化を介してカルシウム吸収を増大させます。
  • リチウムやチアジド系利尿薬は副甲状腺ホルモンの分泌や腎臓でのカルシウム再吸収を増加させます。
  • 過剰なカルシウム・ビタミンDサプリメントの長期摂取も原因となります。

症状

軽度の場合は自覚症状が乏しいことがありますが、典型的な症状として便秘、意識混濁、多尿・多飲、筋肉痛・脱力、倦怠感、腹痛などが挙げられます。

診断

鑑別診断は、患者・家族歴の聴取、症状の整理、血清カルシウム測定に加え、胸部X線、CT、MRI、マンモグラフィーなどの画像検査で腫瘍や肉芽腫性疾患の有無を評価します。最も頻度の高い一次性副甲状腺機能亢進症と悪性腫瘍を優先的に除外します。

治療

血清カルシウム値と原因に応じて治療方針が変わります。利尿薬(フロセミド)は腎臓でのカルシウム再吸収を抑制し、尿中排泄を促進します。リン酸製剤はリン酸欠乏による高カルシウムを低下させます。ステロイドはビタミンD過剰や特定の癌に有効です。

一次性副甲状腺機能亢進症は、過剰な副甲状腺組織の外科的切除が根本的な治療となります。

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