胃切除手術の種類と特徴
胃切除(げっせつじょ)は、胃の全体または一部を外科的に除去する手術です。主に肥満治療や胃がん・胃癌の治療のために行われます。本稿では、代表的な胃切除手術の種類とそれぞれの特徴、選択のポイントについて解説します。
スリーブ胃切除(Sleeve Gastrectomy)
スリーブ胃切除は肥満治療を目的とした手術で、胃の大部分を切除し、残った胃はバナナのような細長いチューブ状になります。食事量が自然に減少し、満腹感が得られやすくなるため体重減少が期待できます。胃バンドや胃バイパスに比べ、腸の再接続や体内にバンドを留置しないため、安全性が高いとされています。
全胃切除(Total Gastrectomy)
全胃切除は胃全体を取り除く手術で、主に胃の中部に進行したがんがある場合に行われます。手術法は主に3つに分かれます。
- 腹腔鏡下手術:小さな切開で行い、傷跡が最小限です。
- キーホール手術:限られた切開で実施します。
- 開腹手術:従来の方法で、腹部に長い切開が必要です。
部分胃切除(Subtotal Gastrectomy)
部分胃切除はがんがある胃の一部と周囲の感染組織だけを除去する手術です。全胃切除と同様に、開腹手術または腹腔鏡手術で行われ、臨床試験でも両者の成績はほぼ同等でした。
ミニスリーブ胃切除(Mini Sleeve Gastrectomy)
ミニスリーブ胃切除はスリーブ胃切除と基本的に同じ手術ですが、胃をさらに小さく(ピーナッツ大)切り詰めます。そのため、極度の肥満患者に限定して行われ、術式は必ず腹腔鏡下で実施されます。経腹部の小さな切開や、女性の場合は経膣的に行うことがあります。
手術の選び方
医師は患者の年齢・健康状態、手術の目的(減量かがん治療か)を踏まえて最適な手術法を提案します。減量目的の場合は選択肢が多く、がん治療では腫瘍の位置や進行度に応じて全胃切除か部分胃切除が選ばれます。いずれの手術でも、術後は小さくなった胃容量に合わせた食事管理が重要です。
