肝機能障害の主な症状とその特徴

肝臓は消化・栄養吸収、血液の解毒、血糖の貯蔵、凝固因子やビタミンAの合成など、全身の健康に欠かせない役割を果たしています。肝疾患がこれらの機能を妨げると、黄疸や胆汁うっ滞、肝腫大、腹水、門脈圧亢進、肝性脳症、肝不全などの特徴的な症状が現れます。以下に代表的な症状とその兆候をまとめました。

黄疸(おうだん)

皮膚や眼白が黄色くなるのが典型的です。尿が濃い茶色になり、便が淡い色になることもあります。かゆみ、食欲不振、吐き気・嘔吐を伴うことがあります。肝臓がビリルビンを胆汁に取り込み、腸へ排出できなくなると血中ビリルビンが増え、皮膚に色が現れます。

胆汁うっ滞(たんじゅうっ滞)

胆汁の分泌や流れが低下または停止する状態です。肝細胞から小腸(十二指腸)への経路に障害があることが原因で、肝疾患や胆管疾患、膵臓の病気が関与します。症状は黄疸、濃い尿、淡い便、かゆみのほか、脾臓や胆嚢の腫大、骨密度低下、血管走行異常、寒気、腹痛、出血傾向などがあります。

肝腫大(かんしゅくだい)

肝臓が大きくなることで、腹部に圧迫感や膨満感を感じることがあります。通常は診察時に医師が触診で確認します。

腹水(ふくすい)

腹腔内に液体がたまる状態です。最も一般的な原因は肝硬変ですが、他の肝疾患や非肝疾患でも起こります。息切れ、食欲低下、腹部不快感、腹部膨張が主な症状です。

門脈圧亢進(もんみゃくあつこうしん)

腸から肝臓へ血液を運ぶ門脈の血圧が上昇する状態です。新たな血管(側副循環)が形成され、肝臓を通さずに全身循環へ流れます。症状は腹水、食道静脈瘤や胃底部出血、出血傾向です。米国では肝硬変が主因です。

肝性脳症(かんせいのうしょう)

肝機能低下により有害物質が血中に蓄積し、脳に影響を及ぼす状態です。混乱、情緒不安定、意識障害、性格変化、判断力低下、言語・運動の遅延、眠気、錯乱、最終的に昏睡に至ることがあります。

肝不全(かんふぜん)

広範な肝細胞障害により肝機能が著しく低下した状態です。出血やあざができやすくなる、黄疸、倦怠感、食欲不振、筋力低下、意識障害、全身状態の悪化、腹水などが見られます。肝疾患のリスクがある場合は早期に医師に相談し、血液検査や画像検査で早期発見・治療を目指すことが重要です。

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