看護診断の優先順位付け
看護診断は、評価の後に続く看護プロセスの第2段階です。収集したすべてのデータを検討し、既存または潜在的な健康問題を特定する診断を1つ以上記述します。患者に複数の診断がある場合、看護師はどの問題やリスクが最も重要かを判断しなければなりません。優先すべき問題とは、患者の回復を止めたり遅らせたり、全体的な機能に悪影響を及ぼす可能性があるものです。
生命機能
第一のルールは「患者の命に関わる、または状態をさらに悪化させる可能性があるものは優先診断」とすることです。すべての人は呼吸と心拍がなければ生きられません。気道クリアランス不全は呼吸ができなくなるため優先診断です。また、心拍出量の低下も高い優先度を持ちます。血液が十分に全身に供給されないと代謝需要を満たせません。特に高齢者は心室の順応性が低下しているため、心拍出量低下のリスクが高くなります。
安全確保
患者の安全を守ることも重要な優先事項です。めまいを訴える患者は転倒リスクが高く、歩行時は常に見守る必要があります。皮膚の完整性が損なわれると褥瘡ができ、感染の原因となります。これらは入浴や知識不足といった二次的な問題より先に対処すべきです。入浴をしないことが直接的に致命的になることは少ないですが、トイレへ歩く途中で転倒したり、褥瘡が感染に至ったりすれば重大な結果を招きます。
疼痛
疼痛は全身に影響を及ぼし、心拍数や血圧の上昇、気分の変化、ストレスや不安を引き起こします。疼痛が管理されるまで、他の低優先度の看護介入は進めにくくなります。例として、膝手術後に歩行開始が許可された患者が強い疼痛を抱えている場合、歩くことも指示を聞くこともできず、疼痛が軽減されるまで他のケアは中断されます。
実際の診断とリスク診断
看護診断には「実際診断」と「リスク診断」の2種類があります。実際診断は問題がすでに存在することを示し、リスク診断は問題が差し迫って起こる可能性があることを示します。一般に、実際の問題はリスクより優先されますが、リスクが死亡や重篤な障害をもたらす可能性がある場合は例外です。たとえば、不安が母子・親子関係の障害リスクの根本原因であれば不安のケアが優先されます。一方、自殺リスクは便秘よりも優先すべきです。
考慮すべき点
患者や状況はそれぞれ異なるため、個別に評価する必要があります。ケアプランを作成する際は、診断を見てどの健康問題が最も大きな損害を与えるかを判断します。傷害や死亡を招く可能性があるものは最優先です。目標達成を妨げるもの、さらなる問題を防げるものも優先されます。重大な問題やリスクが見当たらない場合は、患者が最大限の健康状態に到達できるように支援する項目を優先します。
