背景

米国線維筋痛症協会によると、線維筋痛症は身体的・精神的・社会的に影響を及ぼす、一般的かつ複雑な慢性疼痛障害です。原因が特定できないため、病気ではなく症候群として分類されています。現在のところ根本的な治療法はなく、症状は予測できず、昼夜問わず現れます。

主な症状

線維筋痛症は全身に広がる疼痛を伴い、鋭い刺すような痛みから深い筋肉痛まで様々です。特に朝方に痛みが強くなることが多いですが、1日のどの時間でも起こり得ます。睡眠障害により日中の極度の疲労感が生じ、慢性的な頭痛、過敏性腸症候群や膀胱炎、むずむず脚症候群、記憶障害、皮膚の過敏、また不安やうつといった精神的症状も報告されています。

疲労感

多くの患者は、十分な睡眠を取っても抜け駆けのような倦怠感に苛まれます。体力が著しく低下し、起床後すぐにベッドから出られないことがしばしばです。この慢性的な疲労は集中力の低下を招き、家庭や職場、学業に支障を来します。

深い睡眠の欠如

研究では、線維筋痛症患者は睡眠サイクルの深部睡眠段階にほとんど到達しないことが示されています。浅い睡眠から深部睡眠へ移行した瞬間に脳が過剰に活動し、回復的な睡眠が阻害されます。その結果、8〜9時間寝ても「ほとんど眠っていない」感覚が残ります。

朝のこわばり

朝起きたときに全身が硬くなる「朝のこわばり」も一般的です。筋肉・関節・腱・靭帯が異常に緊張し、特に背部や四肢(手、足、腕、脚)に顕著に現れます。通常は30分程度で緩むことが多いですが、数時間続くこともあり、起床や日常動作を困難にします。