アルコールが肝臓に与える影響と対策
影響
2006年、米国疾病予防管理センターは慢性肝疾患・肝硬変を死亡原因の12位と発表しました。アルコール性肝疾患(ALD)は、脂肪肝、アルコール性肝炎、肝硬変の3つに分類されます。アルコール性肝炎や肝硬変は治療が難しい一方、脂肪肝は飲酒をやめれば回復可能です。
重要性
アルコール飲料中のエタノールは肝臓で代謝される際に活性酸素(フリーラジカル)を産生します。通常は体内の抗酸化物質がこれらを無害化しますが、過剰飲酒により抗酸化力が低下すると、フリーラジカルが肝細胞を直接攻撃し、肝機能障害を引き起こします。
摂取量とリスク
ALDは長期間にわたり一定量以上のアルコールを摂取したときに顕在化します。目安として、男性はワイン1リットル(約72オンスのビール、または8オンスの蒸留酒)程度、女性はその1/4〜1/2とされています。米国食事指針では、健康的な生活を維持するために男性は1日2杯、女性は1杯以下に抑えることが推奨されています。
2杯の上限とALD閾値の間に位置するのが「ビンジ飲酒」で、血中アルコール濃度が0.08%を超えるほどの飲酒(男性は2時間以内に5杯以上、女性は4杯以上)を指し、肝臓へのダメージリスクが高まります。
その他の要因
アルコール摂取量が閾値を超えても必ずしもALDになるわけではなく、個人差があります。高脂肪・低炭水化物の食事はリスクを高めると報告されています。また、性別や遺伝的素因も罹患率に影響しますが、詳細なメカニズムは未解明です。
ニコチンとコーヒーの影響
喫煙はALDリスクを高める要因の一つです。1日1箱以上吸う飲酒者は、1日以下の喫煙者に比べて約3倍の罹患率が報告されています。一方、コーヒーは逆に保護効果が示唆されています。1日4杯以上のコーヒーを飲むアルコール依存者は、飲まない人に比べて約5倍罹患率が低く、カフェインがその要因と考えられていますが、正確なメカニズムはまだ明らかではありません。
