腹部瘻について
腹部瘻はあまり語られることは少ないものの、医療チームにとっても患者にとっても危険で管理が難しい状態です。
瘻(ろう)とは、腹部の臓器と体表面をつなぐ開いた通路のことで、言い換えれば「臓器と皮膚の間にできた穴」です。
原因
- 疾患によるもの:がんや膿瘍が臓器の壁を弱め、穴が開き、やがて他の臓器や皮膚へと広がります。
- 手術合併症:手術中の切開が不完全に閉じられた場合や、誤って臓器を切ってしまい傷が治らず感染することがあります。
- 外傷:交通事故や暴行などの鈍的外力で臓器が小さく裂け、時間とともに瘻へと発展することがあります。
種類
Stedman's Medical Dictionary では「腹部臓器の一つと体表面を結ぶ瘻管」と定義され、Wikipedia では「本来つながらない二つの臓器や血管の異常な連絡部」と説明されています。
代表的な腹部瘻には以下があります。
- 腸皮瘻(腸と皮膚の間)
- 胃皮瘻(胃と皮膚の間)
- 肛門直腸瘻(肛門・直腸と皮膚の間)
- 腸腸瘻(腸の異なる部位同士)
- 膵瘻(膵臓と他の臓器との間)
関与する臓器から分泌物や細胞が瘻を通じて外部へ排出されるため、感染リスクが高くなります。
瘻の形態は大きく三つに分類されます。
- 盲端瘻:開口部が一方だけの瘻
- 完全瘻:内腔と外部の両方に開口部がある瘻
- 不完全瘻:皮膚に開口部はあるが、内部臓器とつながっていない瘻
治療
治療は、瘻の開口部を外科的に修復する手術と、感染を除去・予防するための抗生物質投与を組み合わせて行います。
予防
腹部瘻を完全に防ぐ方法はありませんが、リスクがある状況(外傷、手術、がん治療)後は感染の兆候を早期に発見し、速やかに医師に相談することが重要です。
誤診への対策
自身の症状について正確な情報を持ち、医師と適切にコミュニケーションを取ることが大切です。ウェブ上の情報だけで自己診断するのは危険です。腹部瘻が疑われる場合は、すぐに専門医の診察を受けましょう。
