線維筋痛症(FMS)の主な症状と対策
線維筋痛症(FMS)は、筋肉や関節に広範囲にわたる痛みと、日常生活を著しく妨げる倦怠感を特徴とする症候群です。アメリカでは約1200万人が罹患し、女性に10倍多く見られます。原因は不明ですが、ホルモン変化やセロトニン低下が関与していると考えられています。うつや社会的孤立を招くこともあり、診断までに平均5年かかります。
特徴
全身に鈍い痛みと、睡眠や休息で回復しない疲労感を訴えることが多いです。運動していなくても、筋肉が過度に使われたかのような刺すような痛みや焼けつく感覚が現れます。首や肩、背中、腰、股関節の痛みが睡眠障害を引き起こすことがあります。
深い睡眠が取れない、 anxiety(不安)、頭痛、集中力低下、音・匂い・温度に対する過敏さも見られます。十分な睡眠をとっても疲労感が抜けず、ベッドに入る前よりも疲れた状態で目覚めることがあります。
誤解
関節痛や朝起きた時のこわばりから、関節炎や滑液包炎と勘違いされがちです。医師が関節炎として治療したり、疲労感を心因性と片付けるケースもあります。
診断
診断は困難で、医師による詳細な問診と身体検査が必要です。血液検査で他疾患を除外し、圧痛点(トリガーポイント)の痛みがFMSの特徴とされます。米国リウマチ学会の基準では、全身4部位にわたる痛みが3か月以上続くことが診断要件です。
影響
診断が遅れると、極度の疲労から外出や社交活動が制限され、社会的孤立が進みます。長期にわたる疼痛と治療不足はうつ病のリスクを高めます。適切な診断と治療により、睡眠パターンの改善や適度な運動、薬物療法で通常の生活を取り戻すことが可能です。
予防・治療
米国食品医薬品局(FDA)承認の薬剤として、神経痛に有効なリリカ(プレガバリン)と、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬のシンバルタ(デュロキセチン)が使用されます。セロトニン低下が症状に関与すると考えられるためです。その他、うつ症状や疼痛、睡眠障害に対して抗うつ薬が処方されることがあります。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)も疼痛緩和に用いられます。
