肝臓で過剰なアミノ酸はどのように処理されるか?
1. 脱アミノ化(デアミネーション)
過剰なアミノ酸はアミノ基が除去され、アミノ基はケト酸へ転移されます。この反応はアミノトランスフェラーゼ(トランスアミナーゼ)と呼ばれる酵素が触媒します。
2. トランスアミネーション
脱アミノ化で生じたケト酸は他のアミノ酸と再びアミノ基を交換し、必要に応じて必須・非必須アミノ酸を再合成します。
3. 尿素合成(尿素回路)
除去されたアミノ基は直接排泄されず、肝臓で尿素に変換されます。尿素は血液を介して腎臓へ運ばれ、最終的に尿として排出されます。
4. 糖新生(グルコノジェネシス)
一部の余剰アミノ酸は炭素骨格が分解され、グルコース合成の中間体となります。これにより、絶食時や炭水化物摂取が少ないときに血糖を維持できます。
5. ケトン体産生(ケトジェネシス)
長期の絶食や高脂肪・低炭水化物食では、余剰アミノ酸が分解されてアセト酢酸やβ‑ヒドロキシ酪酸といったケトン体が生成されます。ケトン体は脳や筋肉の代替エネルギー源となります。
6. タンパク質合成
余剰アミノ酸は新しいタンパク質の原料として利用されます。mRNA の指示に従ってリボソームでアミノ酸が結合され、細胞機能に不可欠なタンパク質が合成されます。
7. カタボリズムとエネルギー産生
タンパク質合成や他の代謝経路に利用できない余剰アミノ酸は、炭素骨格がクエン酸回路(クレブス回路)に入って ATP を生成します。
肝臓はこれらの多様な経路を通じてアミノ酸濃度を調整し、余剰アミノ酸を有用な化合物やエネルギーへと変換する中心的な役割を担っています。
