高カルシウム血症と骨粗鬆症の概要
概要
カルシウムは骨の健康維持に欠かせませんが、過剰でも不足でも、血中カルシウム濃度の異常や骨密度の低下といった問題を引き起こします。本稿では、高カルシウム血症と骨粗鬆症の特徴、原因、診断、治療、合併症、リスクについて解説します。
識別(Identification)
高カルシウム血症は血中カルシウム濃度が正常範囲を超える状態で、筋収縮やホルモン、神経、脳の機能に影響を与えます。骨粗鬆症は「骨が多孔質になる」ことを意味し、特に閉経後の女性に多く見られますが、男性でも発症します。骨密度が低下すると、骨折や姿勢の崩れなどの合併症が起こります。
症状(Symptoms)
高カルシウム血症は軽度の場合、症状がほとんどありません。重症例では吐き気、嘔吐、過度の渇き、頻尿、腹痛などが現れます。骨粗鬆症は初期に痛みが少ないことが多いですが、進行すると背部の激しい痛み(椎体骨折が原因)、身長低下、前屈姿勢、股関節や手首の骨折が見られます。
原因(Causes)
高カルシウム血症の主な原因は副甲状腺機能亢進症です。その他、肺癌・乳癌・血液疾患、結核や肺炎などの炎症性疾患、リチウムやチアジド系利尿薬の使用、脱水、過剰なカルシウム・ビタミンA・ビタミンDの摂取が挙げられます。骨粗鬆症は20代から30代前半にどれだけ骨密度を蓄積できたか、そしてその後の骨量減少速度がリスクに直結します。
診断(Diagnosis)
高カルシウム血症は血液検査で血中カルシウムと副甲状腺ホルモン(PTH)濃度が上昇していることを確認します。胸部X線、CT、MRI、マンモグラフィーで基礎疾患(癌など)を探ります。骨粗鬆症はデュアルエネルギーX線吸収測定(DXA)による骨密度測定が標準です。超音波、CT、単光子吸収測定も補助的に用いられます。
治療(Treatment)
高カルシウム血症は静脈点滴による水分補給とループ利尿薬で余分なカルシウムを排泄します。ビスホスホネート(アレディア、ゾメタ)やカルシトニン、ステロイド薬が使用されます。腎機能が著しく低下した場合は血液透析が必要です。骨粗鬆症はビスホスホネート(フォサマックス、ボニバ)やエストロゲン受容体モジュレーター(ラロキシフェン)、カルシトニン、ホルモン補充療法が主流です。加えて、姿勢矯正や筋力トレーニングによるリハビリも重要です。
合併症(Complications)
重度の高カルシウム血症は腎障害、神経系障害、不整脈を引き起こすほか、尿中のカルシウム過剰で腎結石が生じます。また、骨からカルシウムが放出され続けることで骨粗鬆症を助長します。骨粗鬆症の主な合併症は骨折で、特に脊椎や股関節の圧迫骨折は身長低下や姿勢変化をもたらします。
リスク要因(Risks)
過剰なカルシウム摂取は高カルシウム血症のリスクになります。骨粗鬆症はBMIが19以下の白人またはアジア系高齢女性、家族歴がある人に多く見られます。カルシウム・ビタミンD不足、喫煙、摂食障害、運動不足、過度の飲酒、過剰な甲状腺ホルモン、ステロイド使用もリスクを高めます。
