関節リウマチに対する金製剤治療の概要
金製剤は1900年代初頭から関節リウマチの治療に用いられてきました。近年はメトトレキサートや抗マラリア薬、TNF阻害薬が主流となり使用頻度は低下していますが、他の薬が効果を示さない重症例の最終手段として残っています。主に使用されるのは金ナトリウムチオマレート(商品名:Aurolate、Myochrysine)とアウラノフィン(商品名:Ridaura)です。金アウロチオグルコース(Solganal)は需要低下により2002年に販売中止となりました。
機能(作用)
金製剤はDMARD(疾患修飾性抗リウマチ薬)に分類され、関節リウマチの炎症を抑制します。1990年代までは第一選択薬でしたが、現在は他薬が優先されます。作用機序は完全には解明されていませんが、炎症を引き起こす分子の放出を阻害する可能性が示唆されています。
適応と考慮点
大多数の患者は金製剤を必要としません。重症で他の治療が無効な場合にのみ使用されます。効果は30〜50%の患者で確認されますが、効果が現れるまで数か月要します。また、約35%の患者が重篤な副作用により治療を中止せざるを得ません。
警告・禁忌
金製剤は重篤な副作用を伴うことがあり、致命的になるケースもあります。妊娠中の使用は胎児奇形のリスクがあるため禁忌です。授乳中も母乳へ移行し毒性があるため避けるべきです。ヒドロキシクロロキンやペニシラミンなど、他のリウマチ薬との併用で薬剤相互作用が起こります。使用中は定期的な身体検査と血液検査が必須です。
副作用
光過敏症が起こりやすく、日光に当たる際は十分な対策が必要です。注射時にはめまい、吐き気、嘔吐、失神、発汗などの急性反応が数分続くことがあります。注射後24〜48時間は関節痛が続くことがありますが、徐々に軽減します。その他、口内炎、皮疹、かゆみ、皮膚剥離、潰瘍、血尿、腹痛、消化不良、食欲不振、下痢、嘔吐などが報告されています。
使用される金製剤の種類
現在、関節リウマチ治療に使用されている金製剤は以下の2種類です。
- 金ナトリウムチオマレート(商品名:Aurolate、Myochrysine) – 医師の診療室で筋肉内注射として投与。
- アウラノフィン(商品名:Ridaura) – 1日1回のカプセル剤として経口投与。
金ナトリウムチオマレートは最初の22週間は週1回投与し、その後は投与頻度を減らします。注射は経口投与に比べ効果が高い反面、副作用も重くなる傾向があります。
