過活動性甲状腺と神経痛
過活動性甲状腺(甲状腺機能亢進症)は、自己免疫疾患などが原因で甲状腺ホルモン(チロキシン)が過剰に分泌される状態です。神経痛(ニューロパチー)は主に甲状腺機能低下症で見られますが、稀に過活動性甲状腺患者でも発症します。以下では、過活動性甲状腺に伴う神経痛の特徴と対処法を紹介します。
概要
ニューロパチーにはさまざまなタイプがありますが、過活動性甲状腺と最も関係が深いのは多発性ニューロパチー(ポリニューロパチー)です。これは末梢神経系(脳や脊髄以外の神経)が複数同時に障害を受ける状態です。過活動性甲状腺患者での発症は稀で、甲状腺機能低下症患者の31~65%に比べてかなり低いとされています。
症状
初期症状は手足の「しびれ」や「チクチク感」(ピンと刺すような感覚)です。次第に痛みが腕や脚全体に広がり、感覚過敏や協調運動障害、最悪の場合は麻痺に至ることもあります。症状は徐々に現れることもあれば、急に出現することもあります。
診断
ニューロパチーを特定する単独の検査はありません。医師は患者の既往歴(特に甲状腺機能亢進症)と症状を総合して診断します。血液検査で甲状腺機能やビタミンB12濃度を確認したり、神経生検や筋電図(EMG)で神経や筋肉の電気活動を調べることがありますが、必ずしも全てが必要というわけではありません。
治療(甲状腺機能亢進症)
神経痛の根本原因である甲状腺機能亢進症の治療が第一です。治療法には、甲状腺抑制薬、放射性ヨウ素療法、重症例では甲状腺の外科的切除があります。患者ごとに反応が異なるため、医師と継続的に経過を観察しながら最適な方法を選択します。
治療(疼痛管理)
神経痛そのものの管理も重要です。市販の鎮痛剤で効果が得られない場合は、医師が処方する強力な鎮痛薬や、局所用リドカインパッチが使用されます。抗てんかん薬や抗うつ薬もニューロパチーの痛み軽減に有効とされています。痛みが日常生活に支障をきたす場合は、専門医と相談しながら多角的に疼痛管理を行いましょう。
