手術後の骨感染(骨髄炎)の予後と対策
骨感染症(骨髄炎)は米国で1万人に2人が罹患し、主に血流で体内の他部位から骨髄に移行します。外傷や手術後に感染しやすく、子供や50歳以上の成人に多く、男性にやや多いです。予後は患者の全身状態や感染の種類に左右されます。
リスク要因
- 糖尿病、透析治療、血行不良、静脈薬物使用などの循環系疾患
- 脾臓摘出、栄養不良、肥満、高齢者、免疫抑制状態(疾患や薬剤)
- これらの状態は治癒を遅らせ、急性から慢性へと移行しやすく、予後が不良になることがあります。
主な症状(特徴)
- 発熱、骨の部位の疼痛・圧痛、悪寒・大量の発汗
- 腫脹、発赤、温感、嘔気・嘔吐、背部痛などが見られ、インフルエンザ様症状と誤認されることがあります。
- 手術後はこれらの症状が手術後の生理的反応とみなされがちで、診断が遅れると重症化します。
診断
- 血液検査:培養、全血球計算(CBC)で白血球増加、赤沈(ESR)とC反応性タンパク(CRP)の上昇が認められます。
- 画像検査:X線は進行した骨髄炎しか捉えられませんが、骨シンチグラフィーやMRIは早期の炎症変化を検出できます。
- 確定診断は骨生検(手術または深部穿刺)で、培養と組織学的検査を行います。
治療
- 急性骨髄炎:主に静脈抗生物質投与(4〜6週間)で治療します。
- 慢性骨髄炎:外科的除去(壊死骨・感染組織の切除)と抗生物質併用が必要です。除去後は抗生物質含有セメントで空洞を埋めることがあります。
- 人工関節や金属棒が感染源の場合は、これらを抜去することが不可欠です。
- 治療は長期間にわたることが多く、場合によっては複数回の手術や再入院が必要です。
予後
- 整形外科手術後の骨感染の治癒率は約97%と非常に高いです。
- 免疫機能が低下している患者や糖尿病・血行障害を伴う場合は予後が悪化し、治癒に長期間を要することがあります。
- 慢性骨髄炎では、感染が制御できない場合に切断(切除)や、場合によっては皮膚がん・壊疽へ進行するリスクがあります。
- 脊椎に感染が及ぶと神経障害を引き起こす可能性があるため、早期診断と適切治療が重要です。
