座りがちな人のための筋肉萎縮予防に効果的なタンパク質サプリメント
筋肉萎縮とは
人間の体は筋肉を使って動き、力を出しますが、筋肉はタンパク質の貯蔵庫でもあります。運動やストレスがかかると、タンパク質はアミノ酸に分解されエネルギー源となります。タンパク質は傷ついた筋繊維の修復や、負荷のかかったトレーニング後の再合成に不可欠です。
しかし、病気や長期間の活動不足により筋肉がタンパク質合成を停止すると、筋肉は徐々に萎縮します。タンパク質サプリメント(ホエイ、ソイ、カゼイン、アミノ酸など)で予防できると考えられていますが、臨床研究の結果は一様ではありません。
サプリメントの種類
市販されているサプリは大きく分けてタンパク質(カゼイン、ホエイ、ソイ)と、グルタミン、アルギニン、ロイシン、L-オルニチン、クレアチンといったアミノ酸製剤があります。一部の研究者はこれらが筋肉を強化すると主張していますが、効果がほとんどないとする見解もあります。腎臓疾患を抱える人は過剰なタンパク質摂取は避けるべきです。
研究結果の概要
タンパク質サプリが筋肉萎縮を抑制または回復させるかを検証した臨床試験は、結果がまちまちです。
- ベッド上で4週間過ごした被験者にアミノ酸サプリを投与したところ、脚部の萎縮が軽減されたという報告があります。
- 手術後にベッドレストした患者にグルタミンや他の必須アミノ酸を投与した研究では、失われた筋肉量の回復が見られました。
- 高齢女性を対象にした研究では、運動しないグループはサプリだけで筋肉萎縮を防げず、むしろ大腿部の筋肉量が減少しました。一方、運動を継続したグループは筋肉量と下腿の筋力を維持できました。
運動と組み合わせた場合の効果
いくつかの研究では、運動と併用したときにサプリの効果が顕著になることが示されています。
- 健康な高齢男性がレジスタンストレーニングと併せてトレーニング前後にタンパク質サプリを摂取した結果、サプリを摂らなかったグループと筋肉増加に差は見られませんでした。
- ベイラー医科大学の研究では、ベッドレスト中にアミノ酸サプリだけを摂取した被験者は筋肉量と下半身の筋力が低下しましたが、同時に負荷のかかる運動を行った被験者は筋力を維持できました。さらに、運動前後にタンパク質を摂取することで効果が高まることが確認されました。
結論
現時点でタンパク質サプリだけで筋肉萎縮を防げるかは結論が出ていませんが、運動不足や食事で十分なタンパク質が取れていない高齢者は特にリスクが高いことが分かっています。サプリは一定の効果が期待できるものの、1日あたりの推奨タンパク質摂取量を確保し、たとえ低強度でも定期的なレジスタンス運動を取り入れる方が、筋肉量と筋力の維持に最も有効です。
