小児皮膚科医の役割と現状

小児皮膚科医は、乳幼児から思春期の子どもまで、皮膚・毛髪・爪に関する問題を専門的に治療する医師です。小児医学と皮膚科の両方の訓練を受けているため、成長段階に応じた身体的、発達的、心理的ニーズに合わせた治療が可能です。

小児皮膚科の対象領域

小児皮膚科医は、オムツかぶれ、いぼ、にきび、母斑などの一般的な小児の皮膚トラブルをはじめ、アトピー性皮膚炎などの遺伝性疾患、膿痂疹などの感染症、その他ウイルス性皮膚疾患を診療します。

医学サブスペシャリティとしての成立

1970年代初頭までは、皮膚トラブルを抱える子どもは小児科医または皮膚科医が対応していました。1975年、ニューヨークの著名な皮膚科医サミュエル・ワインバーグらが中心となり、Society for Pediatric Dermatology(小児皮膚科学会)を設立し、子どもの皮膚疾患に関する教育と研究が本格化しました。

認定制度

小児皮膚科は2004年に米国医学専門委員会(ABMS)の認定サブスペシャリティとなり、専門医の研修・試験・認証制度が整備されました。2010年時点で米国には162名の認定小児皮膚科医が在籍し、小児科と皮膚科の両免許を持つ医師も認定を受けました。

需要の高まり

CDCの統計によると、皮膚の問題で診療を受ける子どもの数は小児皮膚科医の数を大きく上回っています。発疹や炎症、アレルギー反応は全小児受診の約10%の主因で、乳児では約25%が皮膚トラブルで受診します。一般的な皮膚疾患はまず小児科医が受診の第一選択とされています。

給与格差と課題

小児皮膚科医の需要は高まる一方で、資格取得を目指す医師は減少しています。その一因として給与水準の低さが指摘されています。米国医科大学協会のデータ(2008年)では、皮膚科医の平均年収は28万8千ドル~38万6千ドルに対し、小児皮膚科医は約20万4千ドルと低く、診療手技の少なさが要因と考えられます。

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