体内恒常性の乱れの種類
体内の恒常性(ホメオスタシス)は、体内環境を一定に保つために様々な調節機構が連携しています。これらの機構が何らかの要因で乱れると、恒常性の不均衡が生じます。外的要因(高温や脱水)や内的要因(血糖低下、ストレス)などが主な原因です。
ナトリウムバランスの乱れ
ナトリウムは体液量の調整、血圧の維持、神経・筋肉の機能に不可欠です。ナトリウムが不足すると(低ナトリウム血症)細胞内に過剰な水分が入り、むくみが生じます。原因は薬剤の副作用、HIV/AIDS、手術や精神的ストレス、頭部外傷、脳卒中などです。逆にナトリウムが過剰になると(高ナトリウム血症)脱水や渇望感調節機能の障害が原因となります。特に乳幼児や高齢者で起こりやすく、過剰な塩分摂取や水分不足、薬剤の影響が関与します。
皮膚のバランスの乱れ
皮膚の恒常性が崩れると、軽度から重度まで様々な症状が現れます。水虫、皮膚感染症、アレルギー、口唇ヘルペス、乾癬、接触性膿痂疹、やけど、膿瘍・痈などが代表的です。特に重度のやけどは、電解質やタンパク質を含む体液が失われ、脱水と電解質バランスの乱れを引き起こします。
電解質バランスの乱れ
カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、塩素、リンなどの電解質は血液や血漿、尿中に存在し、神経や筋肉の活動に必須です。体内の水分量が変動すると電解質のバランスが崩れます。水分補給不足や過度の発汗で脱水が起きると、低電解質状態となり生命に関わることがあります。一方、血中のカリウムやカルシウムが過剰になると、筋肉・神経・心血管系の機能障害を招きます。
代謝バランスの乱れ
酵素は体内の化学反応を促進するタンパク質触媒で、食物をエネルギーに変換する代謝に関与します。膵臓、肝臓、胆嚢が酵素産生に重要です。代謝のバランスが崩れると、慢性的な疲労、下痢、炎症、消化不良(便秘、ガス、膨満感)などの症状が現れます。原因は内的・外的要因が複合的に関与します。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンは腺や臓器から分泌され、体の成長や機能を調整します。女性では月経不順、月経前症候群(PMS)、無月経、子宮筋腫などがホルモンバランスの乱れのサインです。男性は40歳以降に前立腺の問題が起こりやすく、排尿障害や性欲低下、勃起不全などが見られます。
