閉経期のほてり(ホットフラッシュ)対策と治療法
閉経とは、ホルモンレベルの低下に伴い月経が完全に停止する状態です。一般的には50歳以降に起こりますが、30代後半や40代前半で閉経になることも珍しくありません。ほてり(ホットフラッシュ)は閉経の代表的な症状のひとつで、最も不快な症状でもあります。突然の強い体温上昇と、軽度から大量の発汗を伴うのが特徴です。閉経中の女性の約80%がほてりを経験し、そのうち40%は症状が重く、医療的介入が必要とされています。
エストロゲンとプロゲステロン
エストロゲン補充療法はほてりに対する最も一般的な治療法ですが、使用している間だけ効果が持続し、治療を中止すると再びほてりが出やすくなります。研究によれば、エストロゲンを服用した女性の全員がほてりの頻度が減少し、80%が症状の完全な緩和を実感しています。子宮が残っている場合は、エストロゲン単独では子宮内膜が過剰に増殖しがちなので、子宮や子宮内膜がんのリスクを下げるためにプロゲステロン(プロゲスチン)の併用が必要です。
ビタミンEとバイオフラボノイド
ビタミンEとバイオフラボノイドは、ほてりに伴う症状の緩和に有効であるという研究結果があります。
ブラックコホシュ
ブラックコホシュは先住アメリカのハーブで、世代を超えて女性に利用されてきました。ほてりの根本原因であるエストロゲン不足に対し、黄体形成ホルモン(LH)の分泌を抑えることでエストロゲン産生を促進します。また、植物性エストロゲン(フィトエストロゲン)を含み、エストロゲン様の作用があります。市販名は「レミフェミン」などで、1日2回、各40 mgの摂取が推奨されています。現在、米国・オーストラリア・ドイツなどでは、ホルモン療法に代わる最も有力な代替手段とされています。
涼しく過ごす方法
ほてりは体温を3〜4℃上昇させるため、体を冷やす工夫が不快感の軽減につながります。周囲の温度を低めに保つことも、ほてりの悪化を防ぎます。吸湿性が高く、涼しい綿素材の衣類や下着を選びましょう。気温が低いときは重ね着をしておくと、ほてりが起きた際にすぐに上の服を脱げます。また、体をリラックスさせ、深呼吸を行うことも効果的です。
運動
運動は体内のFSHやLHの分泌を抑制し、ほてりの症状を軽減、場合によっては完全に消失させます。視床下部は月経周期や体温、交感・副交感神経系を調整していますが、閉経期になると外部刺激に過敏になります。適度な運動は視床下部の感受性を安定させ、ホルモンバランスを正常に戻す働きがあります。
