妊娠中の血小板減少症(低血小板)

血小板減少症(血小板数が低い状態)は、妊娠前からの持病である場合や、妊娠中に発症する場合があります。英国助産師アーカイブによると、妊婦の5〜7%が血小板減少を経験しています。多くは軽度で、出産後に正常な血小板数に戻ります。

診断基準

妊娠中は血小板数がやや低下することが普通ですが、血小板数が1μLあたり150,000個未満になると血小板減少症と診断されます。症状が現れないことも多く、血小板数が50,000個未満になると出血傾向が顕在化します。正常範囲は150,000〜400,000個です。血小板減少は妊娠中の10%程度の自然減少であり、必ずしも病的ではありません。

血小板の役割

血小板は骨髄で産生される小さく粘着性のある血液成分で、血管の損傷部位を塞ぎ、止血を促進します。血小板が不足すると止血が遅れ、過剰出血のリスクが高まります。

症状

軽度の血小板減少ではほとんど症状が出ませんが、重度になると自発的なあざや皮下出血、赤い点状出血(点状出血)などが見られます。血小板が極端に低い場合は、口腔内の血ブレブや尿・便中の血液、さらには脳内出血といった深刻な出血が起こることがあります。

原因

血小板減少症の原因は完全には解明されていませんが、妊娠誘発性血小板減少は高血圧や子癇前症と関連し、血小板数が10万未満になることがあります。また、妊娠中に顕在化する慢性疾患として、免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)などの自己免疫疾患が挙げられます。これらは脾臓や肝臓で血小板が破壊されることで起こります。

治療

軽度の場合は特別な治療は不要で、出産後に自然に回復します。重症例では、事故や外傷による出血を防ぐために安静が推奨され、出血がひどい場合は血小板輸血が行われます。

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