閉経の医療化:歴史・治療の利点とリスク、選択のポイント

歴史

古代ギリシャの時代から、閉経は女性の人生の自然な段階として認識されていました。アリストテレスも閉経について記述しており、語源はギリシャ語の "men"(月)と "pausis"(停止)に由来します。しかし、17世紀になると見方が変わり、月経は体内の "悪い体液" を排出する良いものとされる一方で、閉経はその延長として否定的に捉えられるようになりました。

初期の治療

18世紀の医学は当時の社会的偏見を反映していました。農村部の女性は閉経の影響を受けないと考えられたのに対し、上流階級の女性は繊細で支援を必要とする存在と見なされました。月経が体内の毒素を浄化すると信じられたため、月経が減少した際にはヒルや瀉血が行われることもありました。

ヒルが廃れた後も閉経は「修正すべき問題」と見なされ続けましたが、実際の治療法は限られていました。1960年代にホルモン補充療法(HRT)が登場し、1980年代には軽度の症状でも女性が閉経に達した瞬間に処方されるようになりました。製薬会社は HRT を短期的な症状緩和だけでなく、将来の健康リスク予防の手段としても宣伝しました。

効果

多数の研究で、HRT はホットフラッシュ、ナイトスウェット、膣乾燥といった閉経期の一時的な症状緩和に有効であることが示されています。これらの効果は通常、5 年未満の短期使用に限られます。また、長期使用が骨密度の維持に寄与し、骨粗鬆症の女性にとっては有益であるという報告もあります。

リスク

2002 年、米国国立衛生研究所(NIH)はエストロゲンとプロゲスチンを併用した HRT の臨床試験を中止し、期待された心血管保護効果よりもリスクの方が大きいことが明らかになりました。

具体的なリスクは次のとおりです。

  • 5 年以上の使用で脳卒中リスクが 41% 増加
  • 心筋梗塞リスクが 29% 増加
  • 血栓形成リスクが 2 倍に上昇
  • 心血管疾患リスクが 22% 増加
  • 長期使用で乳がんリスクが 26% 増加

考慮すべき点

現在の研究結果を踏まえると、閉経期の女性は医師と十分に相談し、治療方針を決めることが重要です。症状がほとんどない、あるいは全くない女性は治療を控える選択肢もあります。HRT の主な利点は短期的な症状緩和にあるため、長期使用はリスクを慎重に評価したうえでのみ検討すべきです。

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