看護師のためのトリアージチェックリスト
トリアージは、第一次世界大戦中にフランスの医師が開発した、患者数が医師数を上回る状況を管理するシステムです。フランス語の「trier(分類する)」に由来し、当初は以下の3つのグループに分けられました。
- 医療がなくても生存できる可能性が高い患者
- 医療を受けても死亡が避けられない患者
- 医療介入により救える患者(このグループが最優先で処置される)
現代のトリアージ
現在のトリアージは、訓練されたトリアージナースがチェックリストを用いて実施します。チェックリストは医師が作成し、救急室や災害時に長年検証されています。代表的な手法のひとつに「Simple Triage and Rapid Treatment(簡易トリアージ・迅速治療)」があります。症状や外傷の有無に基づき、患者を以下の4つに分類します。
- 死亡または救命不可能
- 直ちに処置が必要
- できるだけ早く処置が必要
- 軽症で他の重症患者の処置後でも問題ない
治療は「2 → 3 → 4」の順に行われます。
救急室でのトリアージ
救急室のトリアージは、医療従事者と機器が比較的豊富にあるため、最も高度な形態となります。米国の救急室で広く使用されている「Injury Severity Score(ISS)」は、患者の頭部・頸部、胴体、皮膚・四肢の3領域に対し詳細なチェックリストで評価し、0〜75点のスコアを付けます。呼吸停止などの項目は自動的に75点と設定され、即時救命不可能と判断されます。ISSは患者の状態が変化するたびにスコアを更新し、タグで視覚的に表示します。
災害時のトリアージ
地震やハリケーン、列車事故などの大規模災害では、色分けコードが用いられます。国や地域により若干の違いはありますが、一般的に以下の3色が使用されます。
- 黒:死亡または救命不可能
- 赤:直ちに処置が必要
- 緑:軽傷で待機可能
医療訓練を受けた者がチェックリストに従い、負傷者の脚などに色テープを巻いて区分します。災害用トリアージチェックリストは簡易で、衣服で隠れた傷は除外されます。救急車は必ずこのチェックリストと色テープを備えています。
電話トリアージ
電話トリアージは、電話越しに相手の状態を評価する手法です。看護師は患者の姿が見えないため、質問形式のチェックリストを用いて症状や精神状態を把握します。特に自殺リスクや危険度の評価に重要です。
質問と回答に点数を付け、合計点で患者を適切なカテゴリに分類します。
