医療保険の給付調整について
米国では世帯収入が複数に分散されることが増え、医療保険の二重加入が一般的になっています。二つ以上の保険に加入していると、保険会社同士が給付を調整(Coordination of Benefits: COB)しなければ、医療機関への支払いが過剰になる恐れがあります。本稿では、COB の基本ルールと、具体的なケース(誕生日ルール、離婚後の親子、継子)について解説します。
給付調整(Coordination of Benefits)
保険加入者が複数の医療保険に加入している場合、各保険会社は患者の請求を共同で処理し、医師や医療機関への過払いを防ぎます。これには、どの保険が一次(プライマリ)保険となり、どれが二次(セカンダリ)保険になるかを明確にするルールが適用されます。保険会社間の迅速かつ正確な情報共有が、請求処理の円滑化に不可欠です。
誕生日ルール(Birthday Rule)
一次保険は原則として加入者本人の保険であり、残額があれば二次保険に回されます。被扶養者が二つ以上の保険に加入している場合は「誕生日ルール」が適用され、保護者のうち、暦年で誕生日が早い方が一次保険となります。一次保険が支払った後に残額がある場合、二次保険がその上限まで支払います。
離婚した親の場合
離婚後、各親が再婚しそれぞれの配偶者が家族保険に加入していると、子どもは2〜4 の保険に同時に加入することがあります。このような場合、居住権(実際に子どもが住んでいる親)を持つ自然親の保険が一次保険となります。一次保険で支払額に不足があれば、同居親の再婚相手(ステップペアレント)の保険が二次保険として適用され、さらに残額があれば非居住親の保険が最後に適用されます。
継子(ステップチャイルド)
継子が複数の保険に加入している場合も、まずは居住権を持つ親の保険が一次保険、次にその親の配偶者の保険が二次保険として処理されます。一次・二次の両方で支払額が足りない場合に限り、もう一方の自然親の保険が適用されます。
