長期介護保険の基礎知識と加入のポイント

介護施設の高額費用から資産を守るために、長期介護保険への加入を勧める専門家は多く、税制上の優遇もあります。しかし、Kaiser Family Foundation の調査によると、米国の高齢者で保険に加入しているのは約10%に過ぎません。資産が多いほど自己負担で介護費用を賄える一方、資産が少ないと保険料の支払いが負担になることがあります。長期介護保険の基本を理解し、あなたにとって最適か判断しましょう。

基本情報

多くの保険は、死亡するまでまたは給付開始まで保険料を支払いますが、10年払いや20年払のように一定期間で保険料を高めに支払い、満期保険にする商品もあります。保険料は年齢と以下の5つの要素で決まります。

  • 給付額(日額・月額)
  • 控除期間(待機期間)
  • 給付期間の設定
  • 生涯給付総額(プール)
  • インフレ係数

月額給付金の目安

米国保健福祉省のデータ(2009年末)では、介護施設のプライベートルームは1日あたり219ドル、月額で約6,570ドル、年額で約79,000ドルです。自宅でのヘルスケアは1時間あたり21ドルです。まずは社会保障、年金、年金受給などの月収を把握し、必要な月額給付金を算出しましょう。

控除期間(待機期間)

給付開始までの待機期間は一般的に60日ですが、90日を選ぶと保険料がさらに低くなります。待機期間が長いほど保険料は安くなりますが、短期間の介護しか必要としない場合は、120日以内に退院できるケースもあります。

給付期間の設定

給付期間は「死亡まで」や「一定年数」などを選べます。平均的な介護施設滞在は2.5年、中央値は約3年ですので、少なくとも3年分の給付が確保できるプランが推奨されます。5年や終身給付にすると保険料は大幅に上がります。

生涯給付総額(プール)

多くの保険は総給付額に上限があります。例として、月額4,000ドルの給付を36か月受け取ると、総額は144,000ドルにインフレ係数を加算した額が上限となります。近年は夫婦で共有できるプールを提供する商品もあり、各自が必要な分だけ利用できるメリットがあります。

インフレ係数

50歳で1日100ドルの給付額で保険に加入した場合、介護費用が年率3%上昇すると30年後には給付額を約2.5倍にしなければなりません。そのため、インフレ係数(例:年率5%)が設定されている保険が一般的です。低い係数を選べば保険料は安くなりますが、将来の給付が不足するリスクがあります。

保険料の目安

American Association for Long‑Term Care Insurance の調査によれば、55歳の夫婦が現在の給付額338,000ドル(各169,000ドル)を選ぶと、年間約2,350ドル(月額約4,650ドル)の保険料が必要です。インフレ係数は3.5%で、25年後には給付総額が約80万ドルに膨らむと予測されます。保険会社や地域によっては、同条件で年間1,275ドルから2,100ドルと幅があります。

保険料割引

若年で加入すれば保険料は低く抑えられ、夫婦での加入でも割引が適用されます。健康状態が良好な場合は「優遇健康割引」が受けられ、健康質問票だけで済む場合と、身体検査が必要な場合があります。優遇割引が適用されないと、年間約325ドルの保険料増となります。

保険料の上昇傾向

近年、MetLife が長期介護保険事業から撤退し、既存契約は継続されるものの、主要保険会社は2020年末に最大で約40%の保険料引き上げを実施しました。若年で加入した場合でも、将来的な保険料上昇リスクを考慮し、継続可能なプランか検討が必要です。

所得税上のメリット

長期介護保険の保険料は、医療費控除の対象となります。IRS は年齢別に控除上限額を設定しており、たとえば2011年は40歳未満で340ドル、65歳で3,390ドルが上限です。健康貯蓄口座(HSA)を利用すれば、税前資金で保険料を支払うことも可能です。

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