米国におけるユニバーサルヘルスケアのメリット
米国国勢調査局の推計によると、2004年時点で4,500万人以上が十分な健康保険に加入していません。この状況を受け、多くの米国民はユニバーサルヘルスケア(全員が医療サービスを受けられる制度)を求めています。本稿では、ユニバーサルヘルスケアの主な利点を四つの観点から整理し、賛否を問う議論の参考にします。
コスト削減効果
1990年の医療費は7140億ドルでしたが、2008年には2.3兆ドルにまで増大しました(kaiseredu.org)。この膨大な費用は、保険を提供する雇用主や個人に大きな負担を強います。ユニバーサルヘルスケアの支持者は、全員が同一の保険プールに加入することで、保険料が分散され、結果として医療費全体が抑制されると主張しています。
既に実現しているカバー範囲
保守系サイトAmerican ThinkerのRandall Hovenは、米国の医療制度を「二重の最悪」と評し、「我々はユニバーサルカバーに対して支払っているが、実際には得られていない」と指摘しています。実際、緊急医療に関しては、病院に来た患者は法律により必ず治療されるか、他の施設へ転院させられます。また、連邦・州レベルで保険会社や医療機関に対する様々な提供義務が課されています。
効率性の向上
緊急治療が義務付けられているため、軽度の症状や怪我でも病院での診療を先延ばしにし、結果的に重症化させてしまうケースがあります。病院は多くの場合、最もコスト効率の良い治療手段ではありません。こうした非効率的な利用が全体の医療費を押し上げています。コネチカット州ユニバーサルヘルスケア連合の推計では、米国はユニバーサルケアを採用している国に比べて医療費が約40%高いとされています。
倫理的観点
コストや効率性だけでなく、倫理的な理由でユニバーサルヘルスケアを支持する声もあります。医療が営利目的に左右され、利益が患者の必要性より優先される現状は不公平であり、全ての人が平等に医療を受けられるべきだという倫理観が根底にあります。
