個人保険と線維筋痛症
線維筋痛症は、靭帯・筋肉・腱に広範囲の痛みと全身の倦怠感を伴う慢性疾患です。米国では約2%の成人が罹患しており、女性の方が男性よりも罹患しやすいとされています。
線維筋痛症の症状
線維筋痛症は身体の複数の圧痛点に軽い圧力を加えるだけで強い痛みが生じます。症状の重さは天候、ストレス、身体活動、時間帯などで変動します。主な痛みの部位は以下の通りです。
- 後頭部
- 肩甲骨間部
- 首の側面
- 胸部
- 股関節
- 肘部・膝部
多くの患者が睡眠障害や慢性的な疲労感を訴えます。また、頭痛、過敏性腸症候群、うつ病、関節リウマチなどの併存疾患が見られることもあります。
線維筋痛症と健康保険の課題
線維筋痛症は医療側でも完全には解明されていないため、保険会社は多数の併存症が発生する可能性を考慮します。その結果、既往症として扱われることがあり、保険加入時に制限や拒否が生じることがあります。加入前に保険会社の既往症に関する規定を確認し、必要に応じて説明資料を用意しておくことが重要です。
線維筋痛症に対する保険の選択肢
※グループ保険(団体保険)に加入していた場合
米国の《健康保険の携帯性と責任に関する法》(HIPAA)では、12か月以上連続してグループ保険に加入していた場合、既往症に対する待機期間が免除され、新しいプランでも直ちにカバーされます。
※個人向け保険(個別保険)を検討する場合
個人保険は州ごとの規制が異なるため、保険料が高くなることがあります。また、HIPAAの対象外であるため、既往症として保険加入が拒否されるリスクもあります。
ハイリスク保険の活用
雇用主を通じた団体保険が主流ですが、線維筋痛症が高リスクと判断された場合、州が提供するハイリスク保険に加入できる可能性があります。ハイリスク保険は一般の個人保険よりも保険料が高くなる傾向がありますが、保険加入が認められないケースの代替手段となります。
医療改革と既往症の取り扱い
2010年3月に施行された《患者保護と手頃な医療法》(通称ACA)により、保険プランでの既往症による加入拒否が段階的に廃止されました。
- 2010年9月以降、19歳未満の子どもは既往症で保険加入が拒否されません。
- 2014年9月以降、成人も同様に既往症での加入拒否がなくなります。
この制度により、線維筋痛症患者でも保険加入のハードルが大幅に下がっています。
