アイルランドにおける民間医療保険の現状とメリット

概要

アイルランドでは、欧州の多くの国と同様に公的医療が中心ですが、民間健康保険も広く利用されています。主な保険会社は、ボランタリー・ヘルス・インシュアランス・ボード(VHI)、クイン・ダイレクト、そして新興のVivasです。VHIは政府が任命した理事会を持つ半官半民の機関で、最大手です。

公的医療の提供内容

米国とは異なり、アイルランドの居住者は民間保険に加入しなくても、入院治療、診療科医の診察、救急部門(医師の紹介が必要)、妊娠・出産・産後6週間までの母子ケアなど、一定のサービスを無料で受けられます。2006年の調査では、一部の手術で民間患者の待機時間が公的患者より長くなるケースが報告されています。

民間保険のメリット

公的病院の宿泊費は1日平均約60ユーロ(上限年額450ユーロ)です。民間保険に加入すれば、短期的な宿泊費は大きく変わりませんが、個室利用や待ち時間の短縮が期待できます。一般診療(GP)の受診料は平均45ユーロで、保険プランにより割引が受けられます。家族5人分の民間保険料は年間約1,000ユーロとされ、頻繁に受診しない限り費用対効果は慎重に判断する必要があります。

その他のポイント

アイルランド人口約400万人のうち、約半数が民間保険に加入しています。民間保険は必ずしも「先行予約」になるわけではありませんが、複雑で大規模な手術の場合、優先的に対応してもらえることがあります。保険料は他の先進国に比べ比較的手頃で、支払能力のある層は積極的に加入しています。

税制上の優遇

医療費や薬剤費は税控除の対象となります(歯科や代替医療は除く)。これにより、支払った医療費の多くを翌年度の税金で還付できるため、実質的な負担が軽減されます。

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