カナダの医療制度

カナダの医療制度の歴史

現在の医療制度への道は1946年に始まりました。アルバータ州とマニトバ州の間に位置するサスカチュワン州では医師不足が深刻化し、州は医師が開業できるよう支援しました。その後アルバータ州でも同様のプログラムが実施され、人口の90%に医療保険が提供されました。1957年に「病院保険および診断サービス法」が可決され、4年以内に全国10州が参加。1966年の「医療保険法(Medical Care Act)」により、現在の「メディケア」制度が確立されました(米国の高齢者向けメディケアとは別物です)。

制度の構造

カナダのメディケアは州ごとに運営され、各州が独自のユニバーサル医療政策を策定します。居住地によりカバー範囲は若干異なりますが、医療上必要と判断されたほとんどの処置は政府が費用を負担します。住民は州が発行する健康保険カードを提示して診療を受け、共済金や自己負担は原則不要です。一次診療は家庭医が担当し、必要に応じて専門医へ紹介されます。紹介なしで専門医を受診することも可能ですが、その場合は自己負担が発生します。

公的と私的の混在

メディケアは完全に公的とは言えません。医師は政府から給料を受け取るのではなく、患者一人あたり事前に合意された診療費を支払われます。この診療費は医師団体と州政府が協議して決定し、超過請求は制度から除外されます。多くのカナダ人は政府の保険だけではカバーしきれない処方薬などの費用を補うため、民間保険に加入しています。約65%が何らかの民間保険を利用しており、雇用主が福利厚生として提供するケースが多いです。眼科や歯科など一部の医療サービスは完全に民間で提供されています。

カナダ制度のメリット

最大の利点は、所得に関係なく全国民が医療サービスを受けられる点です。全額公的負担ではないものの、処方薬の価格規制により患者は必要な治療を手頃な価格で受けられます。医療費はGDPの10%超と高いものの、米国に比べれば支出は抑えられています。

カナダ制度のデメリット

主な課題は待ち時間です。サービス提供が限定的なため、選択的手術や救急受診、診断検査などで長い待機が発生します。例として、2004年のMRI平均待機期間は22か月、2006年の調査では選択手術の40%が3か月以上待っていました。また、医師不足や民間医療の制約も指摘されています。

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