Empty Nose症候群(ENS)と不安
Empty Nose Syndrome(ENS)は、鼻腔内の鼻甲介(タービネート)を過剰に切除したことにより生じる症候群です。ENS協会によれば、多くの患者が不安感を訴えており、日常生活に大きな支障を来すことがあります。
歴史
鼻甲介は鼻腔内で空気の流れを調整し、吸い込む空気を加湿・加温する重要な組織です。古くから、鼻詰まりや副鼻腔炎の緩和を目的に、一部または全部を切除する手術が行われてきました。
原因
ENSは医療行為によって引き起こされる医原性疾患で、自然に発症することはありません。1990年代にメイヨークリニックの医師が鼻甲介切除とENSの関連性を指摘し、以降研究が進められています。
主な症状
ENS患者は呼吸がしにくい、嗅覚が低下する、睡眠障害が起きるといった身体的症状に加えて、集中力の低下や不安、うつ状態を経験することが多いです。社会的回避やパニック障害を併発するケースも報告されています。
治療法
不安やうつに対しては抗うつ薬や抗不安薬が処方されますが、根本的にはENSそのものの症状緩和が重要です。現在は、鼻腔の洗浄や粘膜再建手術、インプラントなど多様な治療法が試みられています。
注意点
ENSの診断基準や治療効果については医療界でも議論が続いています。鼻や副鼻腔の問題がある場合は、耳鼻咽喉科専門医に相談し、適切な診断と治療計画を立てることが推奨されます。
